帝京大・本郷泰司、離脱中も復帰後も3年生リーダーの態度貫く。防御の課題指摘。
大学選手権9連覇中の帝京大にあって、本郷泰司はリーダーとしての自覚をにじませる。
身長180センチ、体重93キロの3年生。高校、20歳以下と年代別代表での選出経験もあるCTBで、京都成章高時代からタックルとランで身体を張ってきた。翌年度が大学ラストイヤーとあって、こう口にしたことがある。
「自分だったら、どんなところでも身体を張る人間についていく。だから僕も、その部分で手を抜かない。練習でも試合でも、逃げずに挑み続ける。痛いところ、厳しいところで身体を張り続ける」
今年は夏合宿中の練習試合で、明大、早大に敗れた。折しもハムストリングの肉離れで出場不可能だったが、当時については「まだまだチームが成長しなくてはいけないと感じました」。自分がゲームに出られなかったことへのもどかしさではなく、自分を欠くチームの伸びしろについて語った。
「ディフェンスでも個々で守ってしまうなど、まとまりの部分で(課題がある)。あの時は自分も怪我人でしたが、できることを全力でやって復帰した時のために準備をしようと思ってきました。失敗、負けを経験して、自分たちはまだまだだと自覚しました。先輩たちは連覇をしたかもしれないですが、自分たちにはまだまだできることがたくさんある」
いまは、目下参戦中の大学選手権のみに焦点を当てる。12月22日、東京・秩父宮ラグビー場での準々決勝で流経大に45-0で勝利。もっとも岩出雅之監督は、会見中のやり取りの延長で「ディフェンスがよかったからシャットアウトに抑えられたとは思っていません」。結果的には完封勝ちしたものの、防御の完成度には課題ありと見ていそうだ。
本郷も同じ気持ちだった。「チームを勢いづけるタックルはできなかった」。付け加えれば、相手がフェーズを重ねるなかで防御網のつながりを乱したような。記者との問答のなか、自軍の改善点についてこう分析していた。
「(防御網形成中の)コミュニケーション、横との連携にミスがあった。また、攻撃する相手の能力の高さについていけていないところも。まず横とのいいアライメントを取りたい」
この日、今季初先発だった。怪我の再発防止の観点から10月中旬まで復帰を待ち、11月以降に加わった関東大学対抗戦Aでもリザーブスタートが続いた。同じポジションでは、2年の尾崎泰雅が台頭。本郷は「(後輩が)成長してくれているのは嬉しい」としながら、先発復帰への意志を強く持ち続けていた。
1月2日には秩父宮で、天理大との選手権準決勝に挑む。スターターの争いが激化するなか、まずは組織人としての態度を示す。
「次の天理大には強い外国人選手がいますが、彼らを前に出させないディフェンスをできるようにしていきたいです」
その延長線上に、10連覇を見据える。