国内 2018.10.12

強力スクラムは今季も。リーグ戦王者・大東大が開幕3連勝。

強力スクラムは今季も。リーグ戦王者・大東大が開幕3連勝。
両チームの意地がぶつかり合ったスクラム戦。グリーンが大東大。(撮影/松本かおり)
 いま最もスクラムが強い大学はどこか。その話題で必ず名前が挙がるのは、関東大学リーグ戦1部で2連覇を狙う大東文化大学だろう。
 22年ぶりにリーグ戦を制した昨季も、FW第1列にPR古畑翔、HO平田快笙、PR藤井大喜を並べ、力強いスクラムを見せつけた。
 
 一方、昨季リーグ戦6位の日本大学のスクラムも成長中。今季は開幕から変わらずPR伊藤大介、HO藤村琉士、PR白川直人のフロントロー。開幕戦の流経大戦、第2戦の東海大戦でも、日大スクラムは存在感を放った。
 その両者が10月8日、東京・上柚木公園陸上競技場で相まみえた。開幕2連敗の日大は、2連勝中の王者に挑む格好となった。
 ファーストスクラムは開始3分。
 自陣右の大東大ボールスクラムで、大東大FWはいきなりプレッシャーをかけてペナルティを奪う。
 先制パンチをもらった日大の先発1番、PR伊藤は、このファーストスクラムを受けて組み方を変えたと語った。
 
「最初のスクラムで(大東大が)すごく低く組んできたので、『自分たちも低くしないと負ける』となって低くしました。いつも低いわけではなくて、今回は相手に合わせた形です」
 2度目のスクラムは、大東大がマイボールながらヘッドアップでペナルティ。対応が奏功した形となった。
 序盤はディフェンスで日大がファイトし、大東大の勢いを削いだ。
 日大は前半17分、日本航空石川卒のルーキー、FB粟津勇哉のPGで先制。同25分にはトライラインをめぐるFWの攻防から、PR伊藤がねじ込んで10−0とリードを広げた。
 
 前半30分まで日大が10点リードする展開――。焦りも見えたモスグリーン軍団だが、ここで大東大スクラムが力を発揮する。
 
 敵陣相手ボールスクラムでコラプシングの反則を誘発し、右ゴール前へ侵入。前半31分、ラインアウトモールからLOタラウ・ファカタヴァが難なくトライ。スクラムから生まれたチャンスをものにした。
 
 勢いにのった大東大は前半34分、パワフルなWTB土橋永卓のトライ、SO大矢雄太のゴールで逆転に成功。
 
 日大は同39分にPGで再逆転したが、同41分にはHO平田キャプテンの豪快な突進から、最後はふたたびLOタラウ・ファカタヴァが押し込み逆転。大東大が19−13とリードして後半へ向かった。
 
 スクラム勝負は試合が進むにつれ、大東大が盤石となった。経験豊富なPR古畑には手応えがあった。
「相手はとことん低く組んできていたので、こちらも低くして組んでいました。ペナルティも少なく、有利に進められたので良かったと思います」(大東大・PR古畑)
 PR古畑はいつものように“ゴリ押し”はできなかったと振り返ったが、押すべきところは押していた。
 次第に怒濤のアタック力が日大ディフェンスを凌駕しはじめ、大東大は後半16分、20分に連続トライ。
 迎えた後半29分、大東大FWは敵陣ゴール前のマイボールスクラムを押して、そのままNO8アマト・ファカタヴァがインゴールに難なく押さえた。
 大東大のこの日最後のトライは後半ロスタイム、ルーキーWTB朝倉健裕のノーホイッスルトライ。50得点の大台に乗せた。
 
 52−13で開幕3連勝を飾った大東大。10月21日の中大戦へ弾みをつける快勝となった。
 一方、リーグ戦王者相手に前半30分過ぎまでリードしていた日大。最終学年の日大・PR伊藤は「残り4試合は日大のスクラムとフォワードを活かして勝ちたいです」。10月20日の法大戦で、今季初勝利を目指す。
(文/多羅正崇)

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