国内
2018.10.01
明大の勢い止まらず。ジュニア選手権で帝京大破る。
雨のなかの熱闘。明大ジュニア×帝京大ジュニア(撮影:多羅正崇)
雨の八幡山で歓喜したのは明大だった。
春季大会、夏の練習試合に続き、ジュニアでも帝京大を破った――。ノーサイドの瞬間、熱戦を見守っていたSH福田健太キャプテンら、翌日の日体大戦(関東大学対抗戦A)の出場メンバーからも歓声が上がった。
ジュニア選手権で帝京大が負けたのは、2011年9月の慶大戦以来7年ぶり。明大のジュニア帝京戦勝利は、2010年以来8年ぶり。あらためて今季の明大の勢いを印象づける結果となった。
関東大学ジュニア選手権カテゴリー1(帝京大、明大、東海大、慶大、流経大)の1試合が9月29日、明大・八幡山グラウンドでおこなわれ、明大が19−14で帝京大に競り勝った。
両軍はジュニア戦をはじめAチーム以外の試合も重要視している。
帝京大のテントでは、LO秋山大地キャプテンらが直立不動で戦況を見つめ、WTB竹山晃暉は「WATER」のビブスを付けてキックティーを運んだ。明大もSH福田キャプテンらが盛んに声援を送った。
前半の先制トライは帝京大のWTB亀井康平。イーブンボールを捕球し、独走トライを決めた。
7点を追いかける明大は前半21分にWTB石川貴大、同27分にHO大塚健太郎が連続トライ。
2本目のトライは、帝京大のスクラムコラプシングから左ゴール前ラインアウトへ進み、強固なモールを組んでHO大塚が難なく押さえた。
そのHO大塚が「気持ちを全面に出せた」と語った試合で、明大はラック周辺のフィジカルバトルで一歩も引かず。ジュニア2戦目となった9月23日の慶大戦での敗戦(33−45)が良い刺激になったという。好守を続け、帝京大の圧力に屈しなかった。
帝京大は前半を5点ビハインド(7−12)で折り返すと、後半もFL申賢志らが果敢にキャリーを続けた。しかし後半のトライは試合終了間際、ラック脇から抜け出した途中出場のSH末拓実のスコアのみ。
明大は後半25分にFL高橋広大が力強いキャリーでトライ。SO二浦瑞樹のゴール成功で7点を追加。リードを保って5点差勝利(19−14)の笛を聞き、明大ベンチ前で拳を突き上げた。
ジュニア戦のあとに練習試合の「明大C×帝京大C」がおこなわれたが、こちらは26−22で帝京大Cが勝利。終盤になって明大Cが4点差に詰める熱戦となった。
C戦の試合後、明大の田中澄憲監督は多くの選手と握手を交わしていた。
「今日は気持ちのこもったゲームができました。ジュニアもCチームも、明日のAチームにつながる試合(日体大戦、31−17で勝利)をしてくれたのかなと思います」
「ジュニアがこういうゲームをしてくれると、A(チーム)にも刺激になります。競争していくことが層が厚くなるということだと思います。こういう試合を繰り返して競争していくことが大事なのかなと」
ジュニア選手権の戦いは続く。カテゴリー1の帝京大は10月14日に、明大は10月21日にそれぞれ東海大と対戦する。
(文:多羅正崇)