古豪・同志社奮闘も3連覇狙う帝京を阻止できず −大学選手権
全国大学選手権3連覇を目指す王者・帝京大は25日、東京・秩父宮ラグビー場で2回戦に臨み、同志社大との接戦を18−12で制した。来年1月2日の準決勝では、明治大を11−9で破った筑波大と対戦する。
「3連覇を阻止しよう。いいチャレンジをしよう!」という西田悠人キャプテンの言葉で気合十分だった同志社が前半1分、WTB宮島裕之のペナルティゴール(PG)で先制した。強力FWを擁する王者に自陣深く攻め込まれても、魂のタックル連発でゴールラインを簡単には割らせない。
しかし帝京は13分、テンポよく22メートル内に入ると、左サイドを上がってきたLOジョシュア・マニングにパスが通り、トライで逆転した。
前半から手に汗握る攻防。ブレイクダウンで不利と思われた同志社だが、「スローペースになってもいいからしっかりとろう」との宮本勝文監督の言葉通り奮闘し、ロースコアの5−3、帝京がわずか2点リードで最初の40分を終えた。
後半開始5分、同志社がPGで逆転した。だがリードもつかの間、帝京も3点ショットを決める。互いに譲らず、その後1本ずつポスト間にボールを通し、11−9でラスト10分の戦いに突入した。
そして、帝京の2点リードで迎えた74分、帝京はFB竹田宜純が危険なプレーでイエローカード、一時退場の大ピンチとなった。この反則でつかんだPGチャンスを、同志社・宮島がきっちり決め、再び王者が追う形に。
相手FBが抜けたため、敵陣に穴を見つけた同志社はキックオフでボールをキープすれば残り5分を支配できるはずだった。しかし、確保したのは帝京大。FWのモールドライブなどでじりじりとゴール前まで攻め込んだ帝京は78分、アドバンテージをもらっての攻撃からSH滑川剛人が一気に中央を突破して、インゴールにダイブ。結局、これが決勝点となった。
「同志社のバランスのとれたディフェンスに、ボールがうまく回るところで寸断された。自分たちに過信はしていないが、楽に(点を)取ろうとした部分があったと思う。心のスキではなく、チームの甘さが出た。取れそうで取れない場面が続き、選手はフラストレーションを感じていたようだ。それでも、悪いなりにも戦い、最後は執念を見せたと思う」と帝京大の岩出雅之監督は振り返った。森田佳寿キャプテンは「自分たちの甘さを気づかせてもらった。こういう厳しい試合を乗り越えたことはいい経験になった。大きな目標として優勝、3連覇というものがあるが、一つ一つの『今』に集中しながら取り組んでいるので、特別にプレッシャーを感じることはない」と気を引き締めていた。
同志社は散ったものの、関西大学Aリーグで圧倒的強さを見せた天理大は愛知・瑞穂公園ラグビー場で行われた2回戦で、慶應義塾大相手に4トライを奪って32−15と勝利し、4強入りで西の意地を見せた。正月2日に東京・国立競技場で開催される準決勝では、早稲田大を28−26で下した関東学院大と対戦する。