セブンズ
2018.07.22
サクラセブンズ、W杯セブンズを10位で終える。イングランドには完敗。
「もっとアジリティーをつけないといけない」と堤ほの花。(撮影/松本かおり)
前戦でフィジーに接戦で勝って得た自信も勝利を呼ぶには足りなかった。
女子セブンズ日本代表がワールドカップ・セブンズ(米・サンフランシスコ)の全日程を終えた(7月21日)。9位の座を争ったイングランドとのチャレンジトーナメントの決勝は5-31。完敗だった。
先手必勝を今大会のテーマにしていた。しかし、この試合では1分過ぎに先制トライを許したことに加え、12点の先行を許した。先に流れをつかまれてしまった。
前半終了間際に大竹風美子の前進から平野優芽がトライを奪って追い上げたが、後半に入ってすぐトライを追加させたのが痛かった。
その後は攻めてはミスでボールで失い、切り替えされて失点を重ねた。イングランドはパワーとスピードで圧力をかけ、動かせば厄介な相手を好きにさせなかった。
防御であまり前に出てこない相手だから、自分たちのスタイルを出せる。
サクラセブンズは過去の対戦からそう踏んでいた。しかし、この試合で白いジャージーはよく前へ出てきたし、ブレイクダウンでも押し込んできた。
稲田仁ヘッドコーチは、「ワールドシリーズで2日間ともタフな戦いをしているチームとの違いが出た。ベーシックなプレーの足りなさで点差が開いた」と話した。
「ディフェンスで前にプレッシャーをかけ切れていない。だから外を走られる。タックルそのものが弱いので人が(ボールに)寄ってしまう」
攻撃面より、ディフェンス力が思うように高まらない。
フランスには手も足も出なかったが、ブラジルとの接戦を制した。
フィジーには粘り勝つも、これまで相性の良かったイングランドに完敗。
大勢のファンの前でプレーしたことも含め、この2日間を振り返った中村知春主将は「(チームは)自信をつけたと思います」と言った。
「ワールドシリーズに比べると、チームとして成長できたと思います。接戦で勝てた。大舞台を経験できた。自分たちの波が大きいことも知った。大きなゲームではミスをしては勝てない。若いチームが成長するには、凄くいい材料です。特に若手は、2017-2018年のワールドシリーズ序盤では分かっていなかったこと、世界と自分たちとの差をリアルに感じられたと思う。これまでは受け身だったところが変わりつつある」
初戦で完敗したフランスは準優勝した。
まだまだ遠いが、漠然としていたメダルとの距離が、少しずつ明確になっている。