ワールドカップ
2018.06.30
「ガッツがない」に発奮 サモアがドイツとのプレーオフ初戦制しW杯出場王手
2015W杯で国歌を歌うサモア代表。サントリーやサンウルブズなどでも活躍したトゥシ・ピシ(写真左から2人目)は、36歳になった今も中心選手としてサモア代表をけん引し、ドイツ代表との第1戦では背番号10をつけて奮闘した(Photo: Getty Images)
ラグビーワールドカップ2019日本大会への出場権をかけたヨーロッパ・オセアニア地区プレーオフの第1戦が6月30日、サモアのアピアでおこなわれ、サモア代表がドイツ代表を66−15で破り、8大会連続出場に王手をかけた。日本行きへの切符はホーム&アウェイの2試合で争われ、第2戦は7月14日にドイツのハイデルベルクでおこなわれる。勝者は本大会で日本、アイルランド、スコットランド、ロシアと一緒のプールに入り、敗れたチームは11月に予定されている敗者復活最終予選に進むこととなる。
1991年大会と1995年大会でベスト8入りした歴史があり、勇敢な誇り高き“マヌー・サモア”は強豪国も警戒するほど実力あるチームだが、2019年大会のオセアニア地区予選(パシフィック・ネーションズカップ)はフィジーとトンガに敗れて切符を獲得できず、テストマッチは昨年6月から9連敗中だった。
サモアの首相で、同国ラグビー協会のチェアマンも務めるトゥイラエパ・サイレレ・マリエレガオイ氏からは「ガッツがない」と批判され、ヨーロッパ最終予選で最下位に終わりながらルーマニア、スペイン、ベルギーの不正発覚により繰り上げでプレーオフへのチャンスを得たドイツとの戦いを前に、「もしドイツに負けるようなら、全員辞めるべきだ」とまで言われていた。
この言葉を聞いてサモア代表の選手たちは発奮したか、ドイツ戦ではスピードとスキルを活かして前半を35−3で折り返し、後半序盤にはスクラムでペナルティトライを獲得。セブンズで活躍し、3週間前に15人制代表デビューしたばかりのWTBエド・フィドウがハットトリックを決めるなどして、計10トライで圧倒した。
一方、敗れたドイツ代表だが、後半17分にFLヤコ・オトが軽快なステップでディフェンダーを振り切ってゴール右隅に飛び込み、同25分にはFWのパワープレーで2トライ目を挙げ、2週間前にポルトガル代表とのヨーロッパ・プレーオフを制してサモア代表への挑戦権を獲得したチームとして、意地を見せた。