国内
2011.11.19
「因縁の対決」を制したサントリー 実は満足してゲームを終えた
昨季日本選手権王者のサントリーは今季もここまで不完全燃焼ながら3戦全勝。かたや前年度トップリーグ14チーム中11位だったヤマハは、清宮克幸新監督就任後に個々の身体を強くし、新シーズンは2勝1敗。2011年11月19日、両者の対戦が雨の秩父宮ラグビー場で行われた。清宮がサントリー前監督だったことでも話題となったが、空と試合展開の関連性にも注目された。
戦前、天気予報を確認し、サントリーは「ラン、キックを練習した」とエディー・ジョーンズ監督。本来は華麗なパス回しを目指すが、水分でボールが滑るなかそれを強行すれば落球が増えると察した。一方、相手の展開力を妨げる雨は「いい方に向く」とヤマハSH矢冨勇毅は思った。肉弾戦には自信を持っていた。
球の争奪に時間が割かれ、後半12分まで13-13。ヤマハペースにも映ったが、清宮監督は「今日は終盤までリードするシナリオだった」。ここから矢冨曰く、「立ってプレーできなくなった」。26-13でサントリー。「アグレッシブ・アタッキングの方法としてキック」を使ったと、勝ったPR畠山健介。見た目の印象と違い、当事者は満足しゲームを終えた。
(文・向 風見也)