ＮＥＣがトヨタを制す　今季初勝利

　ジャパンラグビートップリーグ第3節は12日、各地で4試合が行われた。東京・秩父宮ラグビー場での第2試合は、NECがトヨタに29-26と今季初白星を挙げた。NECはボール争奪局面とラインアウトでは優勢を保ち、相手の細身の選手に突破力のある選手が仕掛ける、ミスマッチとされる場面も多く作った。4トライ獲得で得られるボーナスポイントを含め勝点「5」を挙げ、総勝点を「6」とした。敗れたトヨタはボーナスポイント「1」のみの獲得で総勝点「6」。どちらも1勝2敗。
　トヨタは前半1分にSOオレニ・アイイがペナルティゴール（PG）を、14分にはFB久住辰也がトライ（ゴール成功）を決め0-8とした。ところがそれ以降、開幕から2試合連続で序盤に大量失点していたNECがペースを掴む。17分にWTBネマニ・ナドロが身長195センチ、体重129キロの巨体を揺らし50メートルを独走しトライラインを割った（ゴール失敗）。26分には、敵陣22メートルエリア付近でNECがラックを作り、右に細かく展開。最後は大外で待っていたLO浅野良太が対面のBKの選手を蹴散らし、勝ち越した。ゴールキックも決まり12-8となった。28分にも、やはりミスマッチの状況から追加点を決めた。FLニリ・ラトゥ主将が自陣で対面にいたBKのタックルを力で制し、右タッチライン際を大きくゲイン。球は左に繋がり、FB大東功一が止めを刺した（ゴール成功）。
　トヨタは35分のSOアイイのPGと、39分の敵陣ゴール前右ラインアウトからのHO上野隆太主将のトライで19-16と迫ったが、後半もNECペース。12分、敵陣22メートルエリアでCTB田村優からパスを受けたラトゥがトライラインを突破（ゴール成功）。トヨタは18分のSOアイイのPG、28分のCTBスティーブン・イェーツの強引な突破（ゴール成功）でスコア上は26-26の同点とするも、マイボールラインアウトを何度も奪われ、ボール争奪局面で後手を踏んだ。結局、32分の田村のPGでNECが勝った。
　試合後、敗れた朽木泰博監督は「NECさんのボールへの絡みで（自分たちの）攻撃のリズムが出なかった」と唇を噛み、勝った岡村要ヘッドコーチは「選手たちがビッグハートで戦ってくれたことに尽きる。（課題だった）試合開始10分も集中し、敵とファイトできた」と胸を張った。
　マン・オブ・ザ・マッチには浅野が選ばれた。

（文・向 風見也）