トンガがフランス破る大金星! 8強入りならずも歴史動いた
ニュージーランドの首都ウェリントンで1日、2011ラグビーワールドカップ・プールAの1試合が行われ、世界ランキング13位のトンガが、同5位で優勝候補の一角でもあるフランスを19-14で破る大波乱があった。4トライ以上獲得して勝利すれば、フランスを上回って準々決勝進出の可能性もあったトンガだが、勝ちにこだわり、堅実で集中力高い80分間の激闘の末、歴史的勝利を挙げた。トンガは1999年6月にフランスから初勝利を奪っているが、ワールドカップの舞台でレ・ブルーを破ったのは初めて。
前半2分、SHヤシュヴィリのペナルティゴール(PG)成功でフランスが先制。その後、互いにPGを1本ずつ決め、迎えた26分、トンガはSHモアのパワフル突進で相手陣深くに攻め込み、SOモラスが右サイドへ放った絶妙なクロスキックをWTBフファンガがトライにつなげ逆転した。
魂のこもったハードタックルと果敢なアタッキングを見せたトンガに対し、チャンスでミスが続出したフランスは、ランニングラグビーも不発に終わった。ラスト10分間は、フランスがボール支配率も陣地獲得率も9割を超えたが、終了間際にWTBクレールが1トライを返すのが精いっぱいだった。
7点差以内の敗戦によりボーナスポイント1点を獲得したため、プールA2位での準々決勝進出を決めたフランスだが、攻守ともに覇気はなく、トーナメント戦でも厳しい戦いが予想される。
● トンガ代表 イシトロ・マカ 監督
パシフィック・アイランドのチームにとって、今夜のフランス戦の勝利は特別な意味を持つ。このワールドカップで、すべてのアイランダーズはよく戦った。カナダ戦に勝っていれば、大会は違う流れになったかもしれないが、あの敗戦があったからこそ、日本戦の奮闘と今夜の勝利につながったと思う。メディアの皆さんは、この勝利がどれほどの意味を持つのかわからないかもしれないが、トンガ人は狂喜乱舞していると思う。すべてのファンに心から感謝している。
● トンガ代表 CTBアンドリュー・マイレー
日本戦で自信を取り戻し、この試合は最初の20分間をとにかく激しく戦おうとチームで決めていた。それからあとは、やれるだけやろうと。月にでも昇ったようで、みんな大喜びしている。言葉にならない。
● フランス代表 マルク・リエヴルモン 監督
準々決勝進出を決めたものの、チーム内で喜んでいる者はいないと思う。しかしながら、資格を得たんだ。次の一週間をどう過ごすかが非常に重要になってくる。私は選手たちを信じているし、もっといい戦いができるはずだ。我々はまだ、この冒険のなかで生き残っている。
● フランス代表 FLティエリ・デュソトワール 主将
トンガはハートを全面に出して戦った。おめでとうと言いたい。我々はミスが多すぎた。最悪のラグビーだった。この試合で自分たちが何をやったかをじっくり話し合う必要がある。