海外 2017.10.20

【TOP14】注目の男Vol.2 ドレッドが目印の世界最高峰CTB

【TOP14】注目の男Vol.2
ドレッドが目印の世界最高峰CTB
©getty Images
 これまで1150人あまりが名を連ねる歴代ニュージーランド代表において、キャップ数(テストマッチ=正式に認められた代表チーム同士の国際試合の出場数)が100を超える選手は、わずか7人しかいない。マア・アラン・ノヌーは、その一員にして数少ない現役選手のひとり、いわば現在進行形の生ける伝説である。
 サモア出身の両親のもとで、ニュージーランドのウェリントンに生まれた。182センチ、106キロの筋肉の塊のような体を弾丸と化し、ドレッドロックスの髪を振り乱して相手ディフェンスを粉砕するパワフルな走りはインパクト抜群だ。デビュー当初はクラッシュ専門の突破役という印象が強かったが、荒削りなワインが時を経て熟成していくように、経験を重ねるごとにプレーヤーとしての幅が広がった。今では巧みなコースどりや鋭く精度の高いパス、相手の背後を突くキックでも、世界最高クラスのCTBとの評価を受ける。
 ラグビーワールドカップは2003年、2011年、2015年の3大会に出場。’11年、’15年は中心選手として決勝トーナメント全試合に先発し、史上初の大会連覇の原動力となった。’15年大会の決勝でソニー=ビル・ウィリアムズからオフロードパスを受け、相手ディフェンスの隙間を縫うように50メートル近くを走り切ったトライは、ワールドカップ史に残る名場面だ。
 RCトゥーロンには2015年のワールドカップ後に加入し、今季で3シーズン目を迎えた。185センチ、120キロと自身よりもう一回り大きいマチュー・バスタローと組む強烈CTBコンビは、いまやチームの看板のひとつとなっている。テレビ画面を通して衝撃が伝わってくるようなすさまじいコンタクトは、それだけで観戦の価値あり。ニュージーランド代表で長くBKラインを形成してきたSOダン・カーター(ラシン92)やCTBコンラッド・スミス(ポー)も現在同じフランスリーグTOP14でプレーしており、かつての盟友とのマッチアップは、リーグの大きな見どころとなる。
 35歳とラグビー選手としては大ベテランの域に差し掛かってきたが、パンチ力抜群のプレーは今季も健在。ノヌーが加入した過去2シーズン、RCトゥーロンはいずれも決勝で惜敗し、あと一歩で優勝を逃している。14-15シーズン以来のタイトル獲得へ向け、リーグ随一の力強い攻守でチームを牽引してくれるはずだ。
▼マア・ノヌー[CTB/RCトゥーロン]
BIOGRAPHY
DOB/Age◎1982年5月21日生まれ、35歳
Birthplace◎ニュージーランド・ウェリントン
Height/Weight◎182センチ、106キロ
Career◎ニュージーランド代表(2003〜2015/103キャップ)、ハリケーンズ(2003〜2011、2015)、ブルーズ(2012、2014)、ハイランダーズ(2013)、リコーブラックラムズ(2011-2012)、RCトゥーロン(2015〜)

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