海外
2017.08.05
どん底から這い上がったライオンズ。経験豊富なクルセイダーズ。いざ、決勝!
南アフリカのジョハネスバーグで日本時間今夜、スーパーラグビーの決勝がおこなわれる。日本のサンウルブズが挑み、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンからも集まった計18チームが熱闘を繰り広げてきた2017年大会で、頂点に立つのは、2年連続の決勝進出で悲願の初制覇を狙うライオンズか、それとも、22年のスーパーラグビー史で半分以上となる12回目の決勝進出を果たし、9年ぶり8回目の優勝を目指すクルセイダーズか――。
チケットは完売で、会場となるエミレーツエアラインパークには約6万2000人が詰めかけると予想されている。これまでの最多観客数は、2014年にシドニー(オーストラリア)でおこなわれた決勝の6万1823人だが、これを上回るかもしれない。
ライオンズにとっては、熱烈な地元サポーターの声援が大きなアドバンテージとなる。しかし、クルセイダーズは1998年から2000年にいずれも敵地での決勝で3連覇を遂げ、3年前にワラターズと栄冠を争ったときも大観衆のシドニーで32−33と競っており、アウェイゲームは苦手ではない。
今季レギュラーシーズンはどちらも14勝1敗と圧倒的な強さを示した。
両チームとも、準決勝とまったく同じメンバーで決勝に臨む。
試合登録メンバー23人のなかに、ライオンズが先発10人、控えに2人のスプリングボックス(南アフリカ代表)を擁するのに対し、クルセイダーズもまったく同じ数のオールブラックス(ニュージーランド代表)経験者を抱える。
ライオンズはかつてスーパーラグビーから脱落したことがある。長期低迷が続いていたこのチームは2012年大会で最下位となり、新規参入が認められたキングズと入れ替わったのだ。そのどん底時代にチーム再建を託されたのが現ヘッドコーチのヨハン・アッカルマン。4年連続で南アの年間最優秀コーチ賞に輝くことが濃厚なこの名将は、今大会後にグロスター(イングランド)の指揮官になることが決まっており、選手は信頼するボスとともに栄冠を掲げる最後のチャンスである。
ワーレン・ホワイトリー主将は6月のテストマッチで重傷を負ったためプレーできないが、レギュラーシーズン終盤からFLヤコ・クリエルが強いリーダーシップを発揮しており、チームはまとまっている。
攻守ともに充実しており、どこからでも果敢に攻めるアタッキングスタイルは脅威。ドライビングモールも強力な武器である。
クルセイダーズは、怪我が心配された2人のベテランにゴーサインが出たのは朗報だった。オールブラックスの主将であるNO8キアラン・リードは準決勝のチーフス戦でひざを負傷したが回復し、アキレス腱を痛めていたPRオーウェン・フランクスも問題を克服した。
最多7回の優勝を誇るチームとはいえ、2008年の優勝を知るメンバーはリードと控えPRのワイアット・クロケットしかおらず、ハングリーさはライオンズと同じだ。
ライオンズの危険なバックスを暴れさせないためにも、セットピースとブレイクダウンは勝利へのカギとなる。プレーオフでハイランダーズとチーフスを封じ込めたディフェンスも大きな強み。
ニュージーランドラグビー協会と2021年まで長期契約を結んだばかりのオールブラックスHO、コーディー・テイラーも活躍が期待される。
<ライオンズ>
15.Andries Coetzee 14.Ruan Combrinck 13.Lionel Mapoe 12.Harold Vorster 11.Courtnall Skosan 10.Elton Jantjies 9.Ross Cronje 8.Ruan Ackermann 7.Kwagga Smith 6.Jaco Kriel(主将) 5.Franco Mostert 4.Andries Ferreira 3.Ruan Dreyer 2.Malcolm Marx 1.Jacques van Rooyen
(リザーブ)
16.Akker van der Merwe 17.Corne Fourie 18.Johannes Jonker 19.Lourens Erasmus 20.Cyle Brink 21.Faf de Klerk 22.Sylvian Mahuza 23.Rohan Janse van Rensburg
<クルセイダーズ>
15.David Havili 14.Israel Dagg 13.Jack Goodhue 12.Ryan Crotty 11.Seta Tamanivalu 10.Richie Mo’unga 9.Bryn Hall 8.Kieran Read 7.Matt Todd 6.Jordan Taufua 5.Sam Whitelock(主将) 4.Scott Barrett 3.Owen Franks 2.Codie Taylor 1.Joe Moody
(リザーブ)
16.Ben Funnell 17.Wyatt Crockett 18.Mike Alaalatoa 19.Luke Romano 20.Pete Samu 21.Mitchell Drummond 22.Mitchell Hunt 23.George Bridge