海外
2017.03.23
サンウルブズへの復帰はすぐ? 笹倉康誉、NDSのハードワークに没頭中。
3月21日、東京・辰巳の森海浜公園ラグビー練習場。大雨に見舞われたが、練習は予定通りにおこなわれた。
日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(HC)肝いりの強化システム、ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)が第3回キャンプの2日目を迎えていた。選手たちは、戦術を確認する実戦練習と走り込みを交互におこなう。息が上がる。2チームに分かれてボールを回し合うゲーム感覚のセッションでも、幅広いスペースを駆け回るために持久力が問われた。
「めっちゃ、疲れてます! でも、いいトレーニングだと思っています」
正直な気持ちを明かすのは、笹倉康誉。パナソニックの正FBを務める、身長186センチ、体重92キロの28歳だ。
「皆、すごくやる気があって、オンとオフの切り替えもしっかりしています」
サンウルブズのメンバーでもある。国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するこのクラブで、昨季は9試合に出場。海外勢とのコンタクトへの耐性を身に付け、その途中では日本代表デビューも果たしていた。フィロ・ティアティアHC率いる発足2シーズン目のチームでも、創設メンバーの1人として期待されていた。
しかし、開幕を2週間前に控えた2月中旬、一時離脱を発表する。大野均、田村優ら他のジャパン経験者と同じタイミングで休息を取った裏には、国内シーズン終盤に負った怪我の影響があった。
3月6日からのNDSで復調し、少しでも早く最前線に戻りたい。いまの笹倉は、そんな青写真を描いていた。
「(離脱は)検査をしての判断でもあります。しっかり治してから戻る。それをフィロさんも理解してくれて…。思いのほか状態もよくて、合宿のスタートから普通に練習に入っている感じです」
主軸候補を欠くサンウルブズは開幕4連敗中だが、「皆、すごくいい試合をしている」。笹倉は仲間たちの戦いに、前向きな印象を抱いている。本隊への復帰時期について聞かれると、NDSでの苛烈なセッションを受けて「これだけキツいことやるんであれば、もう戻りたいです!」と笑わせたものだ。
冗談の口調は、充実感の表れでもあろう。
「僕もいい刺激をもらっているし、試合に出たいです。呼ばれれば、頑張ります」
最前線に戻れば、NDSで調整を続ける松島幸太朗、3戦連続先発中の江見翔太らと正FBの座を奪い合う見通し。選手層に厚みをもたらすか。
(文:向 風見也)