海外 2017.02.24

サンウルブズ追加招集の山中亮平。スーパーラグビー2年目へ意欲。

サンウルブズ追加招集の山中亮平。スーパーラグビー2年目へ意欲。
トップリーグオールスターズでのプレーでチャンスを掴んだ山中亮平。(撮影/?塩隆)
 2月18日、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州でおこなわれたサンウルブズ×トップリーグオールスターズのドリームマッチ。
 サンウルブズの5点リードで迎えた、後半4分だった。
 左タッチライン際で、サンウルブズのWTB江見翔太(サントリー)がラインブレイク。そのまま豪快にインゴールへトライ、の寸前に、死角からボールをはたかれ、トライは幻となった。トップリーグオールスターズの一員として途中出場のCTB山中亮平(神戸製鋼)が、背後から長い腕を回し、WTB江見の手元をはたいていた。快心のトライセービング――。駆け寄るチームメイトへ向かって、CTB山中は雄叫びを上げた。……
 試合の3日後、CTB山中は東京・辰巳のグラウンドにいた。
 LO谷田部洸太郎(パナソニック)と共にサンウルブズへ追加招集。開幕節ハリケーンズ戦へ向けて汗を流していた。
「日曜日(19日)に呼ばれました。親指をケガしていたので、月曜日に病院へ行ってから『行けるかどうか』という判断でした。『行ける』となったので、きょうから参加しました。急に呼ばれてビックリしました」
 
 昨年は始動時からサンウルブズに参加も、スーパーラグビー(SR)デビューは第15節のワラターズ戦だった。最終戦のシャークス戦にも途中出場はしたが、SH・WTB以外のBKポジションでプレイ可能なユーティリティが、そのスキルを披露する機会は少なかった。昨季について本人は「コミュニケーションの部分や、戦術の理解がまだまだ甘かったと思います」と振り返った。
 2016年のトップリーグでは全15試合に先発出場。うち4試合はSOで出場するなど、神戸製鋼コベルコスティーラーズの中核として働き続けた。調子は上向きだったが、昨年12月発表のサンウルブズ2017年スコッドに名前はなかった。
「悔しかったですけど、しょうがないなという感じでした」
 しかし先週、サンウルブズを相手にトップリーグオールスターズで存在感を発揮、怪我人続出のチーム事情もあって、ユーティリティ性溢れる山中に声が掛かった。
 合流した2年目のサンウルブズでは、早くもたくさんの刺激を受けている。
「練習はすごく変わったと思います。走っている時間が長いですね。戦術は、去年と変わっていないところを思いだしつつ、できていると思います。対応はできました」
 大阪府出身。東海大仰星から進んだ早稲田大学4年時に初キャップを獲得し、重ねた日本代表キャップは「7」。身長188センチ、体重95キロの体格も魅力だが、多彩なキックでも魅せてきた。
「キックはひとつの武器なので、そこを出していければと思います。チーム(神戸製鋼)はオフだったんですが、こういう形で呼んで頂きました。チャンスはしっかりモノにしたいと思います」
 2月23日、開幕節ハリケーンズ戦の試合登録メンバー23名が発表され、山中はリザーブに名を連ねた。
 先週まで神戸製鋼のオフシーズンにあった28歳は、世界が注目するSRの舞台で、アピールの機会を待つ。
(文/多羅正崇)

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