国内 2016.09.18

パナソニック、早くも2敗。4連覇に陰りも…

パナソニック、早くも2敗。4連覇に陰りも…
会見で敗戦を語るパナソニックのディーンズ監督(右)と堀江主将(撮影:見明亨徳)
 トップリーグ(TL)第4節。4連覇を目指すパナソニックワイルドナイツは、昨年度まさかの9位に沈んだサントリーサンゴリアスと対戦した(9月17日/東京・秩父宮ラグビー場)。試合はパナソニックが15−45の大敗で4年ぶりにリーグ戦勝利をライバルに献上した。
 試合当初から、サントリーは今季採り入れた縦へのアタックでパナソニックへ食い込む。スクラムでも圧力をかけ反則を誘う。そしてゆっくりとパナソニックのエネルギーを奪った。
 30点差の勝利で開幕4連勝、勝点5を得て総勝点18となり2位浮上のサントリー。試合後、指揮官の沢木敬介監督は「きょうやっと自分たちのラグビーができた」と話した。スクラムについて右PR畠山健介は「スクラム良かったです。8人でプレッシャーをかけることができた。青木さん(佑輔、HO)がまとめてくれた」と会心の勝利だった。
 一方、勝点を奪えず総勝点10のままで8位に落ちたパナソニック。ロビー・ディーンズ監督はサントリーを称えた。「きょうに限っては上のチームにやられてしまった。ミスで相手にボールを与えトライを取られて希望を与えた」。
 堀江翔太主将はサントリーに攻守で上回られてしまったことを「見ての通り。普通に負けるのが悔しい」としたうえで、2敗を喫し4連覇に陰りが見えたことについては「次のゲームにどうすればいいかもう考えている。若い選手たちも教育していかないと」と新戦力で臨む今季の戦いに先を見据える。
 WTB14で公式戦デビューした福岡堅樹は、ランでサントリー陣へ切り込み期待通りの動きを見せるも、自身のノックオンで続く好機をつぶした。「ほろ苦いデビュー」と悔やんだ。今春、日本代表を経験したLO谷田部洸太郎は「サントリーに差し込まれ足が止まった。今のメンバーがベストメンバー」と語った。
 スタンドで観戦したパナソニックの飯島均部長は大敗の理由を「なんというか複合的なものと思っている」と表現した。右ひざのケガ治療で11月復帰を目指すFW劉永男(ユ・ヨンナム)は「去年と違うのは、皆が同じ方向を見ていないような感じがする。若い選手やケガから戻ってきた選手がチームと合ってくれば大丈夫」と話した。
 次節までTLは1週間の休みを取る。パナソニックは5位・NTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦(9月30日/秩父宮ラグビー場)、サントリーはキヤノンイーグルスと争う(10月2日/山梨中銀スタジアム)。敗者は今週9月22日に大学王者の帝京大と練習試合をおこなう。ディーンズ監督は「これまで試合に出ていない選手のセレクションにする」と、層の厚い選手間競争をさらにあおり浮上の一歩とする。
(文:見明亨徳)

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試合後、選手を見据えるサントリーの沢木監督(撮影:見明亨徳)

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