海外 2016.08.01

現代グロービス 韓国ラグビー界に第一歩記す

現代グロービス 韓国ラグビー界に第一歩記す
韓国代表の南ヨンスが司令塔を務める(写真:大韓ラグビー協会SNSより)
 韓国ラグビー15人制大会の「第27回大統領旗全国種別ラグビー大会」が7月、全羅南道康津(カンジン)で開催された。一般(社会人)は決勝でポスコ建設が尚武(韓国軍体育部隊)と対戦し、31−23で連覇を達成した。大学は延世大が後半逆転で33−15と檀国大を下した。高校は富川北高(プチョンプック)と白新高(ペクシン)の対戦。両校は春季リーグ戦、白新22−17富川北、忠武旗大会では富川北24−22白新と、2度の決勝を1勝1敗で優勝を分けていた。3度目の対戦は富川北が前半のリード(14−0)を守り、24−15で2冠を決めた。中学は今季2冠の養正中(ヤンジョン)が城南西中(ソンナムソ)から前後半10トライ64点を奪い、64−24で一蹴し3冠となった。
 この大会に新社会人チームの現代グロービスが参加した。7月初旬にあった「2016年度全国7人制ラグビー大会」に続いて15人制でもデビューを飾り、韓国ラグビー界の歴史に第一歩を記した。
 現代は大学卒業後に尚武で2年間の兵役を昨年終えた選手、大学卒業後に直接入団した選手、そして日本のトップリーグや下部リーグで数年間プレーし帰国した選手で構成されている。
 今大会では3チームが登録した一般に出場。変則の1回戦(7月19日)でポスコと対戦し、デビューを果たした。試合は、ポスコが17−10(前半5−0)と現代を下した。
 前半はなかなか点を奪えない展開。終了間際の41分にポスコHO金ミョンギュがファイブポインターとなり先制。後半も2分、ポスコの韓国代表SO呉ジミョンがトライし、10−0と差をつけた。いっぽう現代もアタックを見せると、2分後にWTB金ジングがトライラインを越え記念すべき公式戦初トライをあげた。ゴールキックも韓国代表FBで現代ではSOの南ヨンスが決め、7−10と迫った。13分、ポスコはWTBユ・ソンヨンがゴールへ持ち込み、ゴールキックは前代表のFB金原用(キム・ウォンヨン、元日野自動車レッドドルフィンズ)が成功し17−7とする。24分に現代がPGで3点を追加するも、この後、スコアは動かず現代は敗退した。
 試合には日本とつながりがある選手が多く登場した。現代はPR趙珍?(チョ・ジンヒョン)、2013年季まで秋田ノーザンブレッツに在籍した。翌年、帰国し尚武で兵役を過ごした。NO8は昨季1年間、日野自動車に所属した李勇昇(イ・ヨンスン)。趙と後半交代したPR康太見(カン・テヒョン)は2014年に慶煕大からNECグリーンロケッツへ入り、今春、現代へ移籍した。春は念願の代表入りしアジアチャンピオンシップで日本とも対戦した。さらに18番の右PRは、サントリーサンゴリアスから戻った朴鐘烈(パク・チャンリョル)が後半からピッチに立った。
 ポスコにはFB金、NO8に昨季まで三菱重工相模原ダイナボアーズに所属しケガで退団した李昡羽(イ・ヒョンウ)が、リザーブSHにはトップリーグのアジア枠で2008年にNECへ加入した安スンヒョクがいた。
 試合を終えた現代の鄭三榮(チョン・サンヨン)監督は「選手たちに感謝する。次の大会では良い試合、結果を出したい」と話した。
 現代が出場した全国7人制ラグビー大会。現代はプール戦の初戦で延世大を24−12で下し歴史的な1勝目をあげた。続くポスコには14−21で敗れたが、2位でカップ戦へ。準々決勝で慶煕大(キョンヒ)に19−5と勢いをつけると、準決勝は難敵の尚武戦。後半6分に逆転し19−17で逃げ切り、初参加の大会で決勝へ進出した。しかし王者・韓国電力が7トライを重ね45−7で新顔を寄せ付けず2連覇を飾った。
 現代は8月5日から27日までニュージーランドで合宿を行う。次の公式戦は10月の「全国体育大会」(会場:忠清南道礼山郡)に仁川市代表で出場する。さらに来季に向けて日本のトップリーグチームと協力関係を構築する計画だ。会社の理解のもと、ラグビー環境の整備を着々と進めている。
(文:見明亨徳)

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デビューとなった延世大戦でディフェンスの隙間を突く(写真:チーム提供)

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