国内
2016.07.26
大学屈指のスクラメイジャーだった平野翔平。「ゲームに出ないと」と誓う。
サントリーとの練習試合でプレーするパナソニックPR平野翔平(中央の青いヘッドキャップの選手)
(撮影:松本かおり)
昨季の大学選手権で準優勝した東海大のPR平野翔平は、今季から国内最高峰トップリーグ3連覇中のパナソニックに加入。本職は右PRだが、左右どちらへも入れる適応力も強みとする。
身長178センチ、体重125キロ。分厚い胸板を対面に押し当て、姿勢を乱しにかかる。自分だけの強みを活かしたスクラムワークで、東福岡高、東海大で活躍してきた。
世界挑戦の序章も奏でた。国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズの初期メンバーとして、同じパナソニックの堀江翔太主将らと研鑽を積んだ。
マーク・ハメット ヘッドコーチら首脳陣に運動量を課題視され、スーパーラグビーキャップ獲得こそお預けとなった。それでもオーストラリア出身のNO8エドワード・カークらの練習前の準備への姿勢など、見るべきものを見ることができたという。
スーパーラグビーのシーズン終盤は、関係者と相談の末にパナソニックの本拠地である群馬・太田市に在住。他のトップリーグクラブとの練習試合で、実戦感覚を保ってきた。
「こっち(パナソニック)に残って経験できることはある。ずっとゲームに出ていなかったのですが、ゲームに出てわかることもある、と」
7月9日、埼玉・熊谷ラグビー場。33−52と屈したサントリー戦では、左PRとして日本代表右PRの畠山健介、元日本代表HOの青木佑輔と対峙。やや不慣れな位置で熟練者と組み合うことで、大学では得難かった課題を感じた。
「ヒットをした瞬間、僕が割れてしまった(外側の足が塊から外れるなどして、HOとのつながりが緩んだ)。自分が3番(右PR)に入った経験上、相手の1番(左PR)が割れるのが楽なのはわかっていたんですけど…」
パナソニックは人材の宝庫。左PRには日本代表のレギュラーでもある稲垣啓太、右PRにはトンガ出身のヴァル アサエリ愛や元ジャパンの川俣直樹など、強烈なライバルがひしめく。それでもロビー・ディーンズ監督は、国内外で活躍する主力組の出場時間を調整する意向も示している。公式戦で平野が存在感をアピールする瞬間は、きっと訪れる。
(文:向 風見也)