女子
2016.05.30
女子セブンズシリーズは豪州が初の総合V! 日本は仏大会も全敗で最下位
初めてシリーズチャンピオンになった女子7人制オーストラリア代表
(Photo: World Rugby)
女子7人制ラグビーのオーストラリア代表とカナダ代表が、約2か月後に迫ったリオデジャネイロオリンピックへ向けて大きな自信を得た。
「HSBC ワールドラグビー女子セブンズシリーズ 2015−2016」の最終ラウンド、フランス(クレルモン=フェラン)大会が5月28、29日におこなわれ、カップ決勝でカナダがオーストラリアを29−19で下し、優勝した。カナダが栄冠を獲得したのは昨年5月のオランダ(アムステルダム)大会以来2回目。
一方、惜しくも今季4冠目を逃したオーストラリアだが、5ラウンド総合の獲得ポイント数で1位となり、2012年に女子セブンズシリーズが創設されて以来、初めてシーズン総合チャンピオンに輝いた。
過去3季連続で女王の座を守ってきたニュージーランドは、今季は無冠に終わり、総合2位だった。
初めてコアチームとしてシリーズにフル参戦したサクラセブンズ(女子7人制日本代表)は、シーズン11位となり、コアチーム残留を確定させることはできなかった。日本は降格が決まったわけではないが、コアチームとして残るためには、リオ五輪で結果を残さなければならない。
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サクラセブンズは第4ラウンドのカナダ大会に続き、フランス大会も5戦全敗で、最下位に終わっている。
フランス大会の最終日、9位以下のボウルトーナメントに臨んだ日本は、同準決勝でアイルランドに0−33の完敗。アイルランドはラインアウトからの完璧なセットプレーで日本の防御網を破り、コンタクトエリアでターンオーバーしてからスピードランナーが振り切るなど、5トライを挙げた。
11・12位決定戦では、アフリカ代表としてリオ五輪出場が決まり今大会がワールド女子セブンズシリーズ初参戦となったケニアと対戦し、5−12でまさかの敗北を喫した。日本はハンドリングエラーを多発。フィジカルは強いものの俊敏性がないケニアを相手に、ワイドにボールを動かして攻めようとしたが、ラストパスがつながらず、好機を逃すシーンが何度かあった。ディフェンス面でも甘さがあり、相手にキック&チェイスされたときの対応も悪かった。
■サクラセブンズ 浅見敬子ヘッドコーチ コメント
フランス大会まで、いかに選手が力みすぎず、自信を持つことができるかについて考えてきた。大会第1日は結果が出て、0.5秒の反応の早さ、丁寧さ、低さを献身的に繰り返すことができた。それを大会第2日に繰り返せなかったのは、チーム全体の引き締めが足りなかったからだと思う。
このチームの課題は、力みすぎること、リラックスする『間・バランス』を調整すること。ワールドシリーズ全5大会で世界のトップチームと真剣勝負できたことは、非常に貴重な経験になった。また、全5大会を選手たちが大きな怪我なく終えられたことは、2011年から体作りに時間を割いてきた結果だと思う。
リオデジャネイロオリンピックまで約70日、選手一人ひとりの課題に対するアプローチをさらに徹底し、強化していく。
■サクラセブンズ 中村知春キャプテン コメント
試合のクオリティに波があることがチーム全体の反省点。どんなチーム相手でも常にハイクオリティな試合内容にしなくてはならないのに対し、大会第2日は2試合とも3流の内容になってしまった。後半に追い上げるシーンもあったが、5試合通して前半の失点の多さが勝ちきれない要因になった。
ハイプレス、ハイテンポのサクラセブンズのスタイルをぶらすことなく、ラグビーの質を上げて、強くなりきれない原因を徹底的に潰してリオデジャネイロオリンピックまでの期間を過ごしたい。
今シーズン初めてコアチームとしてワールドシリーズの全試合を戦ってきたが、世界の強さと勝つことの難しさを痛感させられた。リオデジャネイロオリンピックで結果を残して、来シーズンもワールドシリーズのコアチームに必ず入りたい。
<ワールドラグビー女子セブンズシリーズ 2015−16 総合順位>
1.オーストラリア(総合獲得ポイント:94)
2.ニュージーランド(80)
3.カナダ(74)
4.イングランド(74)
5.フランス(60)
6.アメリカ(46)
7.ロシア(42)
8.フィジー(34)
9.スペイン(28)
10.ブラジル(12)
11.日本(12)
12.アイルランド(11)
13.ケニア(2)
14.コロンビア(1)
<ワールドラグビー女子セブンズシリーズ 2015−16/第5戦 最終日結果>
▽カップ準々決勝(1〜8位)
・イングランド 21−12 アメリカ
・ニュージーランド 19−12 フランス
・オーストラリア 35−0 スペイン
・カナダ 12−5 フィジー
▽カップ準決勝
・カナダ 31−10 イングランド
・オーストラリア 14−5 ニュージーランド
▼カップ決勝(優勝決定戦)
・カナダ 29−19 オーストラリア
▼3・4位決定戦
・ニュージーランド 22−5 イングランド
▽プレート準決勝(5〜8位)
・アメリカ 14−12 フィジー
・フランス 17−0 スペイン
▼プレート決勝(5・6位決定戦)
・フランス 22−19 アメリカ
▼7・8位決定戦
・スペイン 13−10 フィジー
▽ボウル準決勝(9〜12位)
・ロシア 27−12 ケニア
・アイルランド 33−0 日本
▼ボウル決勝(9・10位決定戦)
・ロシア 24−5 アイルランド
▼11・12位決定戦
・ケニア 12−5 日本
女子セブンズシリーズの今季最終ラウンド、フランス大会で優勝したカナダ
(Photo: World Rugby)