海外 2016.02.04

拓殖大新4年・PR具智元、「付き合わない」スクラムで世界挑戦へ。

拓殖大新4年・PR具智元、「付き合わない」スクラムで世界挑戦へ。
サンウルブズ最年少の具智元(撮影:BBM)
 関東大学リーグ戦1部で今季8チーム中6位に終わった拓殖大から、1人の新4年生が世界最高の舞台へ挑む。右PR具智元が、スーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズへ加入。2月3日からのメディカルチェック合宿に参加した。
 かつて韓国代表の左PRとして活躍したスクラメイジャー、東春氏を父に持つ。中学1年時は、兄で拓大現4年の智允(CTB/来季、日本最高峰トップリーグのホンダ入り)とともにニュージーランド・ウェリントンカレッジへ留学。2年時に大分へ移住すると知られざる逸材として頭角を現し、日本文理大附属高時代は全国大会と無縁ながら高校日本代表に名を連ねた。
 いまでも父は来日時に息子のスクラムを見つめ、つぶさにアドバイスを送る。小学6年の頃からラグビーを始めてから、PR具は英才教育を受け続けた。
 身長184センチ、体重122キロの体躯で、フラットバックを崩さない。フラットバックとは、背筋が地面と平行にまっすぐ伸びたスクラムの理想の姿勢である。
「外国人はスクラムでのプレッシャーが力強い。相手の高さに付き合わないで、低い姿勢で組むことが必要です」
 PR具は大学1、2年時、20歳以下日本代表およびジュニア・ジャパンとしてパシフィック・ラグビーカップ(PRC)やジュニアワールドラグビートロフィーに参戦。特にPRCでは今度のスーパーラグビーと同様に南半球のチームと対戦した。「スクラムでは押した場面もあった。(FW全員で)固まっていい姿勢を組めば、外国人も押せる」と胸を張る。エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ率いる日本代表へも、練習生として招集されたことがある。
 ヤマハ所属でサンウルブズ入りを果たしたPR山本幸輝も、その姿を見た瞬間に「強いと思いますよ。身体が、他の選手と違いますから」と認めざるを得ない。サンウルブズは新規加入とあって、スーパーラグビーではチャレンジャーの立場だ。就任間もないマーク・ハメット ヘッドコーチはPR具のプレーを詳しく知らないだろうが、セットプレーの強化を必須と訴えたことがある。その言葉が本当なら…。ソウル生まれの21歳は、流ちょうな日本語でこう明かすのだった。
「韓国の友だちからも頑張ってねと言われます。日本でプレーしたいという気持ちです」
 昨年8月、拓大の遠藤隆夫監督にサンウルブズからのオファーを聞く。気にしたのは大学の前期授業に関する調整のみだった。契約が叶うや、大学のシーズン中にも個別のトレーニングをおこなう。
 スクラム時の姿勢をとって、その背中の上に20キロの重りを乗せる。姿勢を保ったまま手のひらで歩くよう前進し、1分間、耐え続ける。
 スーパーラグビーでは、スクラムの際に前後から強い圧力がかかる。そんなななかでも「付き合わないで、低い姿勢」を保つためには、体幹の強化は欠かせない…。
 そんな父の助言に基づくメニューを、愚直にこなすのである。
 目標は、ジャパンの一員として2019年のワールドカップ日本大会に出ることだ。父の助言を受け、「アジアで1番強い」という日本で国際舞台へ挑むことを決めた具は、サンウルブズでPR垣永真之介、PR平野翔平との定位置争いに挑む。「強みであるスクラムをアピールして、フィールドで走れるところも見せたい」と誓った。
(文:向 風見也)

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