国内 2015.12.13

九電がトップチャレンジ2で快勝発進! 釜石は14人で耐えるも痛い黒星

九電がトップチャレンジ2で快勝発進! 釜石は14人で耐えるも痛い黒星
最高の笑顔は昇格を決めてから。釜石戦後、会見する九州電力の瓜生監督(右)と中?主将
(撮影:Rugby Republic)
 トップリーグ昇格をめざす三地域リーグ(イーストDiv.1、ウェストA、キュウシュウA)上位チームの戦い、トップチャレンジシリーズが始まった。福岡・レベルファイブスタジアムで13日、トップチャレンジ2の第1節となる九州電力キューデンヴォルテクス(キュウシュウ2位)×釜石シーウェイブスRFC(イースト2位)の試合がおこなわれ、序盤からゲームを支配した九州電力が6トライを挙げて38-12で快勝した。釜石は前半26分に退場者を出し、残り時間を14人で必死に食らいついたが敗れ、初昇格への道は厳しくなった。
 宗像サニックスブルースに大敗してから2週間、九州電力はボールキャリアとサポート部分を徹底的に鍛え、その成果が出た。もう一つの課題だったブレイクダウンでも優位に立ち、敵陣で攻め続けた。ねばり強いディフェンスが持ち味の釜石を簡単には崩せなかったが、前半14分、ラインアウトからモールで押し込み先制する。
 一方の釜石は、22分にようやく訪れたチャンスをものにした。同じようにラインアウトモールで同点に追いつく。しかし、そのわずか4分後だった。CTBマイケル・バートロケが相手選手を殴ってレッドカード、一発退場となり、釜石は14人での戦いを余儀なくされる。
 九電はこの好機を逃さなかった。数的有利となった直後、敵陣22メートルライン付近から快足WTBの正海智大が相手防御網のすき間を突いてキックでインゴールにボールを転がし、走り勝って自ら押さえ、チームに流れを引き寄せた。39分には釜石のノックオン後、スクラムから左へ展開し、ルーキーのWTB磯田泰成がトライ。19-7で前半を終えた。
 後半は釜石がドライビングモールで先に点を取ったものの、チャンスになりそうな場面でパスミスやハンドリングエラーを重ね、相手にプレッシャーをかけることができなかった。「規律も敗因。14人になったということよりも、エリアを取るべきチャンスのところで反則があり、九電さんに押し返されたところもあってゲームをうまく進められなかった」(釜石・NO8須田康夫キャプテン)。
 56分(後半16分)、九電はSO齊藤玄樹がPGを左ポストに当てて失敗したものの、跳ね返ったボールを確保して攻めたて、WTB磯田がトライ。68分にはハイパント後のこぼれ球を拾ったHO松永辰哉がゴールまで走り、72分には相手の落球からカウンターでボールをつなぎ、CTB下釜優次が九電の6トライ目を挙げて決着がついた。
「1人足りなくなったことですべてが狂った」と釜石の藤原誠コーチ。「1人少なくなったけど、試合を投げることなく継続してアタックしていけばチャンスはある、とハーフタイムで話していたが、九州電力の勢いがすごかった。そこを止めきれず、慌ててしまった」。
 キャプテンの須田も悔しさをにじませた。「九電の走力あるバックスや連続攻撃にがまんしきれなくなった。そのなかでもターンオーバーを狙っていたが、相手のサポートは速く、ブレイクダウンも強かった。トップチャレンジ1進出の可能性は厳しくなったが、次の試合にベストの状態で挑むということだけしかいまは言えない」。
 一方、九州電力のCTB中?憲章キャプテンは快勝ゲームをこう振り返る。「重点的に取り組んできたラインアウトから先制点が取れたのは大きかった。攻める気持ちをもって臨もうと試合前に話をしていたので、FWが崩れることなく取り切ってくれたことが結果につながったと思う。ディフェンスでも成果が出て、ラインプレッシャーをかけて相手のアタックを思うようにさせなかった」。
 瓜生丈治監督は、「Stay Connected(ステイ・コネクティッド)、組織としてつながり続けるというチームスローガンで取り組んできた。選手はこの試合に懸けるモチベーションの部分をしっかりコントロールし、結束してくれた。トップチャレンジ1へ進めるよう、チームとして手を緩めることなく、成長していきたい」と語った。
 トップチャレンジ2は中部電力(ウェスト2位)を加えた3チームで総当たり戦をおこない、1位になったチームが三地域リーグの優勝チーム(三菱重工相模原ダイナボアーズ、大阪府警察、宗像サニックスブルース)が待つトップチャレンジ1と、その後の入替戦に進むことができる。
 トップチャレンジ2の次節は一週間後の20日、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で中部電力×九州電力の対戦がおこなわれる。

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