各国代表 2011.07.02

日本代表カーワンHC 立て直しに自信 鍵は「1対1」の勝負

日本代表カーワンHC 立て直しに自信 鍵は「1対1」の勝負

 2日に東京・秩父宮ラグビー場で行われた「IRBパシフィック・ネーションズカップ(PNC) 2011」の第1戦で、サモア代表に15-34と敗れた日本代表だが、試合後のジョン・カーワンHC(ヘッドコーチ)はさばさばしていた。
 「最初の20分、1対1の勝負でしっかりタックルできなかったところが次への
大きな反省点。その後の守りは、相手へのプレッシャーも厳しくかけていたと思う。攻撃面では何度もラインブレイクをし、サポートもついていたが、ラストパスがつながらなかった。詰めが甘い」。
 一時は0-17とリードされた日本だったが、NO8ホラニ龍コリニアシ、WTB宇
薄岳央のトライなどで9点差に迫った。ハーフタイムでのカーワンHCの指示通り、ボールをキープして自分たちの速いゲームプランを実行できるようになったが、詰めの甘さに加え、セットプレーからの悪い流れも勢いを止め、逆転とはならず。
 「スクラムは問題ない。しかし、ラインアウトはレベルアップが必要ね」と
カーワンHC。バックスの中心選手であるCTBライアン・ニコラスも歯がゆさを感じたようで、「セットピースからの流れが遅い。それに、チャンスを作りながらラストパスでミスがあり、仕留めることができなかった。そこを修正しないと上位国には通用しない」。
 次戦はワールドカップ(W杯)でも対戦するトンガが相手となるが、ライバ
ルは敵地での開幕戦で2007年W杯ベスト8のフィジーを撃破した。カーワンHCはフィジカルなゲームになると予想しながら、「立て直す自信はある」と力強く語った。「サモアに敗れはしたが、リアル・テストマッチでいい勉強になった。W杯まであと2カ月もある、なんて考えない。一週間後までに今日の反省点はしっかり修正する」。
 対戦国との実力差があるアジア5カ国対抗とは違い、PNCは国際経験も豊富な南太平洋諸国との激しい四つ巴。黒星スタートとなった日本代表だが、新しい選手たちも躍動しており、のびしろはある。なおこの試合で、右足首を痛めたFLマイケル・リーチに代わり先発出場したFL西原忠佑(パナソニック)と、途中出場のSOマリー・ウィリアムス(豊田自動織機)が初キャップを獲得した。


(文/竹中 清)


 

PICK UP