日本代表 2026.08.06

日本代表・伊藤鐘史アシスタントコーチ、モールの防御をどう改善する?

[ 向 風見也 ]
【キーワード】, ,
日本代表・伊藤鐘史アシスタントコーチ、モールの防御をどう改善する?
網走で取材に応える伊藤鐘史アシスタントコーチ(筆者撮影)

 ラグビー日本代表が課題克服に挑んでいる。

 7月18日の東京・国立競技場での新設ネーションズチャンピオンシップ3戦目で、フランス代表にトータルで15-42と敗れた。与えた6トライ中5本が、ラインアウトとそれを起点とするモールだった。

「嫌なところを攻められた、すれ違いを食らったというか…」

 こう語るのは伊藤鐘史。担当のアシスタントコーチだ。

 2015年までの4年間は、エディー・ジョーンズヘッドコーチの率いるジャパンで選手として活躍した。’25年からは、’24年に約9年ぶりに復帰したジョーンズのもと現職に就いていた。

 11日のアイルランド代表戦(ニューカッスル・マクドナルドジョーンズスタジアム/●20-36)では、ラインアウトの防御を機能させた。LOのワーナー・ディアンズ、ハリー・ホッキングスという2メートルコンビ、読みの鋭い万能FWのジャック・コーネルセンが、空中で圧をかけていた。

 それまでの2戦では、モールの防御でも首尾よく対抗できた。もっとも、フランス代表戦では勉強の機会を与えられた。

「イタリア、アイルランドにはがっぷりといい勝負ができましたが、(フランス代表には)うまくすかわされたし、徹底的にモールで来られた。こちらは(向こうが)こだわってきたことへの対抗力がなかった。反省していきたいです。うまくいっていても、兜の緒を締め続けないと」

 改善へ時間をかける。7月25日からの網走合宿では、モール対策に使う時間が増えた。キーワードはこうだ。

「ヒットファースト。腿にヒットしよう」

 飛んだ相手が着地した瞬間に鋭く刺さるのはもちろん、空中でのスティールのために飛んだ場合も降り立つやすぐに絡むのを意識。素早く低い姿勢になり、モールの隙間に首を入れるよう促した。

「(上空で)コンテストした後にいかに低くなってディフェンスに入るかを(意識して)やっています。反応とスピードでいかに(進路の)蓋をしていくか(が鍵)」

 メディシンボールと呼ばれる、バスケットボールよりもひと回り以上も大きく重い球を奪う合うセッションも繰り返した。思うような形で守れなかった場合でも、とっさの判断で守れるようにするためだ。

「(一般的にモール防御を仕掛ける)4人がドーンと(一斉に)頭を入れていくわけではないから、絶対に(塊が)傾く。そのなかでどう(それぞれで穴場を)カバーできるか(を試す)」

 起こりうるすべてのケースを想定し、8月の対オーストラリア代表2連戦をにらむ。今度の相手はさほどモールを組まない傾向にありそうだが、「ただあの試合(フランス代表戦)を見たうえでジャパンと戦うなら、(モールが弱点だと思って)仕掛けてくる」と読むからだ。

PICK UP