ニュージーランドでの日本の良心。 樫塚安武さん

グド・オン・ヤ・マイト!
いきなりニュージーランド(NZ)なまりの英語であいさつしてしもたわ。
スペルはGood on you mate
意味は「元気?」って感じやね。
まいど!浪速のおっさんでっす。
今日はNZ・クライストチャーチ在住のカッシーこと樫塚安武(かしづか・やすたけ)さんを紹介さしてもらうわ。
いつもニコニコのカッシーは、笑うと目がなくなりまっせ。180センチ近いサイズやけど、プロップ体型のため怖さもあらへん。
「ぼくなんか取材してもらっていいんですか?」
いーんです。その謙虚さ。日本人やね。
ワイもチャーチにいたんよ。よく通った日本食の田中屋や中華のジョイフルのある街で生きてはるのはうらやましいがな。あっ、また食いしん坊が出てしもたわ。
カッシーはクライストチャーチ・ボーイズ・ハイスクール、通称「ボーイズハイ」で日本から来る高校生のための留学プログラムを仕切ってます。
ボーイズハイは名門だっせ。このワールドカップで優勝したオールブラックス(ABS)のSOダン・カーターはんが出ました。ジャパンのSOこーせー(小野晃征)も卒業生だ。ABSをもっとも輩出した高校として知られとる。公立男子校としても人気が高く、校区外のエリアからも生徒がやってくる、いわゆる越境っちゅうやつもさかんですねん。
全校生徒は約1200人。そのうち約半分の550人が22のグレードに分かれてラグビーをしてます。せやから、初心者でもチームがあって試合ができる仕組みやね。
受け入れの留学の期間は最短で2週間からOK。つまり春や冬の休みでもNZ最高レベルの高校ラグビーが体験できますねん。もちろん年単位の留学も大丈夫や。
「こちらのコーチは怒ったりせず、楽しくラグビーをさせてくれます。英語でコーチングを受けるのも刺激になりますよ」
手続きや、必要な通訳業務はカッシーがやってくれます。
カッシーはスーパーラグビー・クルセーダーズの日本語通訳もやってます。今年はジャパンのWTB藤田慶和君(早稲田大)や帝京大主将のHO坂手淳史君も来たでー。選手らと一緒に間近で最先端のコーチングを見られて、ラグビー知識も広がっています。
1976年生まれのカッシーは39歳。兵庫県出身だ。5歳から西宮ラグビー少年団入り。FLやHOとして天理高校、天理大学で活躍しました。卒業後6年ほど県内の高校で体育講師をしてましてん。1年半ほどのNZ滞在後、2007年から兵庫・甲南高校で講師兼ラグビー部コーチをしたんですな。2010年に再びNZに渡り、カンタベリー大学で社会学を勉強しはった。NZのラグビーコーチング中級免許のレベル2も持ってるでー。
甲南のスポットコーチは継続中や。今年は夏の菅平合宿に参加した。甲南は11月8日の全国大会県予選で、科学技術に18−14で勝って4強に進出したんよ。監督の南屋大はんは、一時帰国して観戦に来たカッシーをベタほめしましたわ。
「夏にはディフェンスを見てもらいました。前に出てタックルすることができるようになりました。この勝利は彼のお蔭です」
南屋はんはカッシーよりも4歳上の体育教員。先生としての目を通しても高評価や。
「彼がほかの外部コーチと違うのは、教員なので生徒の心を的確につかめるんです。教育的指導ができる。ウチの生徒も留学プログラムに参加しました。彼は過保護じゃありません。でも必要な時はしっかり手を差し伸べてくれる。彼は間違いありません」
男の子は特に自分の力で生きて行かなあかん。海外で困ってもまず自力。英語がしやべられへんのやったら勉強する。仲間に入れてほしかったら人間性を磨く。せやけどその上であかんかったら、カッシーは助け船を出す。根はとっても優しい。その部分を伝統ある私立中高校の生徒指導部長を兼任してはる南屋はんは見えてはるんやろね。
ちなみにカッシーのお父はんはハンドボール女子の日本代表監督をした正一はん。教育的な部分は親譲りですな。
2年前にはスコットランド系のマルシアはんと結婚。来年2月には第一子が誕生予定や。西洋系とマリッジできる日本男子はほんまもん。日本女子は優しく、勤勉やから海外男子とのカップルも少なくない。でも男子は異文化を受け入れる心の大きさや、レディーファースト、それに金髪等慣れない容姿にも勝たんといかん。だから夫は日本人、妻は西洋人の組み合わせは少ないとおっさんは思う。こっからもカッシーの偉大さがわかるわなあ。
「NZは大自然があって、のんびりしていて、時間がゆっくりと流れていきます。フレンドリーさも世界一と言われています。1回来てみて損はない国だと思います」
留学も含めて質問があったらお気軽にメールしたってやー。
カッシー・メアド=rugbysc7@gmail.com