【関東大学リーグ戦1部】 流経大が全勝死守。大東大、防御で息吹き返す。
10月31日、ニッパツ三ツ沢球技場にて、関東大学リーグ戦1部全勝の流経大と1敗で追う大東大が激突。毎年激しい戦いを見せる両者、今年も最後まで行方の分からないスリリングな内容となったが、後半35分にPGで突き放した流経大が37-29と勝利を収め、東海大と同様、全勝を守った。
「いやあ、大東大は熱かった。激しく前に出てきたので面食らったかな」と試合直後にそう話したのは辛勝した流経大・内山達二監督。
開始1分、流経大がほぼ完璧な形でトライを奪った直後のキックオフ。大東大NO8アマト・ファカタヴァが好キャッチして敵陣深く攻め込むと、SO川向瑛のキックパスからFB大道勇喜が前進してCTBアピサイ拓海がトライを奪う。この後、目立ったのは、大東大の素早く前に出るディフェンスだった。流経大は広いラインを敷いて、長いパスでボールを動かすが、大東大の素早いプレッシャーが機能させない。さらにブレイクダウンでも大東大の激しさばかり目立ち、前半30分にはFB大道がトライを挙げて、22-7とリードを広げた。
ただ、流経大は残り5分から8点を返し、7点差で折り返したのは大きかった。しかも、ハーフタイムに修正できるのが今季の流経大。やや浅くなっていたラインなどを微調整して、攻撃のテンポも戻る。後半11分にはSO東郷太朗丸のキックパスからNO8ジョージ・リサレのトライで同点に追いつくと、16分にはオーバーラップを作ってFL廣瀬直幸が勝ち越しのトライを奪った。
残り10分に試合は大きく動く。30分には大東大LOタラウ・ファカタヴァのゲインから左に展開してCTB竹原慶昇のトライとアピサイのゴールで逆転に成功する。そして、直後のキックオフ。キャッチした大東大SH小山大輝のキックがノータッチとなると、流経大FB桑江健一郎が得意のカウンターに走る。最後はCTBテアウパ・シオネのトライで流経大が再び勝ち越して、勝利を引き寄せた。
「後半修正できたけど、これでは(同じ全勝の)東海には勝てない。悪いなりに修正できて勝利した。良かったのは、そこだけですかね」と流経大・内山監督。一方、大東大の青柳勝彦監督は、「やれる自信を持って臨みましたが、反則が多すぎます。競っても、与える必要のない得点は痛かった。最後は相手の経験値が勝ったのでは」と振り返った。
今季、これまで大東大らしくない試合に終始してきた。さらに、最大の得点源であるWTBホセア・サウマキを怪我で欠いている。それでも、この日は今季ベストの内容だった。素早い防御から再三ボールを奪い、ラインを工夫して立たせた攻撃でも継続すればトライにつながる自信も得たはず。課題だったスクラムでも終盤に押し込み、ラインアウトも修正した。
「ディフェンスはとにかく前に出ようと臨みましたが、手応えがあっただけに一番悔しい試合。継続すれば(トライを)取れることも分かったのは収穫で、もっと強くなれる自信をつかみました」とSO川向。
敗れたが、大東大が上昇のきっかけをつかんだ試合。セットプレーも大幅に整備されて、大学選手権の頃には恐い存在になりそうだ。