ファンは見捨てない。イングランド代表、大声援のなか舞台を去る。
(Photo: Getty Images)
2015年ラグビーワールドカップ開催国のイングランドが戦いを終えた。激戦区のプールAを勝ち抜くことはできず、大会史上初めて、メインのホストネーションがプールステージ敗退という結果に選手もファンも落胆したが、10月10日にマンチェスターでおこなわれたウルグアイ戦に60-3で勝ち、舞台から去った。9月18日の開幕から3週間と少し。予定よりも早い終幕だった。
負傷離脱したビリー・ヴニポラの代役として追加招集された37歳のNO8ニック・イースターは、ウルグアイ戦で29回ボールを運び、7回タックルし、3トライを挙げてマン・オブ・ザマッチに選ばれた。ベテランは、大声援を送ってくれた満員の約5万人のファンに感謝し、「本当にすばらしかった。(会場に到着して)バスを降りたとき、まるで我々がワールドカップで優勝したかのような喝采だった」と振り返った。
イースターと同じくハットトリックを決めたWTBジャック・ノーウェルは、「私たちにはまだ応援してくれている人がいるとわかって嬉しかった。きょうの試合に勝って、人々の顔にスマイルを戻したいと思っていたので、よかったです」と語った。
21歳でワールドカップの舞台を踏んだWTBアンソニー・ワトソンは、「この大会で学んだことを次に生かしたい」とコメント。決勝トーナメントは観るかと訊かれ、「もちろん、準々決勝、準決勝、決勝も観るつもりです。自分たちがそのなかにいないことにガッカリするだろうけど。月曜日には所属クラブに戻って、もっといい選手になるよう努力するつもりです」とこれからの成長を誓った。
そして、スチュアート・ランカスター ヘッドコーチは、「厳しい1週間だった。敗北に向き合い、選手の精神面をまっとうな状態にすることが先で、誰とも話す時間はなかった。今週は日記帳の予定が少し空いているが」と語り、自身の進退について質問が飛ぶと、「ほとぼりが冷めるまで待って考える。そもそも私1人の判断でもない」と答えた。
精いっぱいやったが、結果がすべての世界。いろんな意見や批判があることは承知している。しかしこんな言葉ももらったらしい。
「昨日も多くの人が私のところへ来て『私たちはあなたとチームを応援している。なぜなら、それがチームだから』と言ってくれた。古くさいと言われるかもしれないが、チームというのはそういうものだと思う」