【関東大学対抗戦A】明大、今季160分無失点で開幕2戦連続完封勝ち。
(撮影/松本かおり)
※発売中のラグビーマガジン11月号、P.108に掲載の記録・明大×立大の明大選手の出身高校に間違いがありました。LO小林航の明大中野八王子の「八王子」が次選手の出身校に入ってしまったため、それ以降の選手たちの出身校が一人ずつずれています。申し訳ありません!
試合終了間際の集中力こそいちばんの収穫だろう。明治大学が開幕から2戦連続の完封勝ちを収めた。9月27日におこなわれた筑波大学戦(熊谷)で26-0。前週、立教大学に90-0で勝った試合と合わせ、今季が始まって160分間無失点を続けている。
ラスト数分間、紫紺のジャージーは自分たちのゴールラインを背負って、タックルし続けた。筑波大FWがインゴールを飛び込もうとした寸前…一撃でノックオンを誘う。大きく、何度もボールを動かされても必死で走り、刺さり、コーナーで押し出す。最後の最後まで集中力を保ち続けた。
「まだ2戦目ですよ」
丹羽政彦監督はそう言いながらも笑顔だった。
「きょうの試合は(シーズン)前半戦のヤマでした。とにかく走れ、と言って送り出しました。それができないと攻めも守りも形を作れないので。セットプレーでもっと圧力をかけたかったけど、最後は意地になって守りきってくれました。試合に出られるかどうかを争っている選手や3年生の頑張りを評価したいですね」
立ち上がりは筑波大も積極的に攻撃を仕掛け続けるなど、見応えのある攻防が続いた試合。しかし、攻守において内側の圧力で上回った明大が徐々に主導権を握った。
先制点は前半27分。ラインアウトからHO中村駿太主将が前進し、タイミング良くボールをリサイクルする。そこに走り込んだFL桶谷宗汰がタックラーを弾き飛ばしてインゴールにボールを押さえた。
その3分後にもラインアウトから好機を作る。大きくボールを動かした後、SO堀米航平からクロスでパスを受けたFB田村熙がビッグランを見せて50メートル近くを走り切った。前半終了間際にはゴール前スクラムからSH浜野達也がインゴールにグラバーキックを転がす。反応良くチェイスしたCTB梶村祐介がグラウンディング。21-0として勝負を決めた。
丹羽監督が先を見つめて言った。
「どこよりもウチが練習してきた。日本代表ではないですが、そんな風に信じ切れる日々を過ごしてきたつもりです。10月には昨年敗れたジュニア選手権の帝京との試合もあるし、対抗戦も2試合(青学大戦、日体大戦)入っています。もっともっと底上げをして慶應との試合(11月1日)を迎えたいですね」
サクラの魂を注入した紫紺のジャージーも、歴史を変えるシーズンにできるだろうか。
同試合の前におこなわれた慶應大学×日本体育大は、10トライを奪った慶大が66-12で大勝した。金沢篤ヘッドコーチは、「相手がハイパントを蹴ること、シャローディフェンスで前に出てくることは分かっていたので準備はしていました。どんな相手でも、自分たちのできるいちばんの準備をしようと言ってこの試合に向けて調整してきた結果」と話した。