国内 2025.11.06

パロマ瑞穂ラグビー場、リニューアル。こけら落としは11.29

[ 森本優子 ]
パロマ瑞穂ラグビー場、リニューアル。こけら落としは11.29
バックスタンドを背に左からS愛知ケレビ、中野、トヨタV大籔、彦坂

 11月5日、1年半をかけてリニューアルしていた名古屋市パロマ瑞穂ラグビー場の工事が完了、メディア向け視察会が開かれた。

 会には地元トヨタヴェルブリッツからHO彦坂圭克、FB大籔洸太、豊田自動織機シャトルズ愛知からFBケレビ ジョシュア、共同主将のWTB中野豪も参加。愛知県内の各テレビ局、新聞社などの取材に応じた。

 今回のリニューアルによる一番の変化は座席。従来はベンチ式シートだったが、メイン、バックともすべて背もたれ付きの個席に。これまで芝生席だった東西スタンド前方にも椅子席が設置された。

 収容人員はメインとバックで7800席、サイドスタンドで1500席(後方は立ち見席)となり、約1万0400人に。椅子にはクッション、ドリンクホルダーもついており、従来よりも快適に観戦できそうだ。座席の色はトヨタVとS愛知のチームカラーを参考にしたという。

 以前のラグビー場は建設されて35年と老朽化が進んでいたが、今回はバリアフリーも様々な個所に施されている。メインスタンドにあった車いす席は、改修前の7席→74席と大幅増。観客席通路には手すりも設置され、バリアフリートイレも4か所から5か所に増えた。観客席の前方に設置された壁はコンクリートからガラス製に変わり、より明るいイメージに。

 設備もリニューアル。映像装置はフルハイビジョン、照明もLED化して国際規格に対応した1500ルクスとなった。プレーヤー周辺の環境も大きく変わった。芝も張り替えられ、これまでより排水機能も向上。選手ロッカーやシャワーも改修された。改修費用は令和6、7年度で46億5千万円。

 豊橋ラグビースクール時代から瑞穂でプレーしてきたトヨタVの彦坂は「いちばん変わったのは観客席。クッションもついているし、これでいくらTMOがあっても大丈夫」。大籔も「汗も流せないくらい芝が綺麗になったので、ハンカチ持参で試合します」とユーモラスなコメント。

 S愛知の中野共同主将は「みずほは観客との一体感がある。開幕戦が楽しみ」。ケレビも「ブルーウエーブ刈谷も観客と近かったが、瑞穂だとたくさんの人が集まりやすい」と、リニューアルを歓迎した。

 改修なったパロマ瑞穂ラグビー場の使用開始は11月15日(土)の愛知県高校決勝。こけら落としは11月29日(土)に「RE・OPEN MIZUHO ラグビーフェスタ2025」として、トヨタVとコベルコ神戸スティーラーズがプレシーズンマッチで対戦する。リーグワン公式戦は、S愛知が12月13日(土)、花園近鉄ライナーズを迎えて開幕戦を戦う。

 日本で「ラグビー場」の名称でトップレベルの試合が開催されているのは秩父宮、花園、熊谷、そして瑞穂の4か所。グラウンドと客席が近く、プレーの醍醐味をより味わえるのは専用ラグビー場ならでは。今回のリニューアルを機に是非足を運んでみてはいかがだろう。

西スタンドからメインスタンドを望む。背景に見えるのはパロマ瑞穂スタジアム
増えた車いす席。仕切りはガラス製の壁になり、明るい雰囲気に
バックスタンドを背に左からトヨタV大籔、彦坂、S愛知の中野、ケレビ
座席は背もたれ付き、最前列にもドリンクホルダーが
ロッカールームも区切られてそれぞれにコンセントがついた
椅子の色はトヨタVの緑とS愛知のブルーを「参考にしました」とのこと

PICK UP