ワールドカップ 2015.09.18

南ア戦、ハバナ対面に山田! 大野とマットフィールドの競演も。10番は小野

南ア戦、ハバナ対面に山田! 大野とマットフィールドの競演も。10番は小野

準備は整った。南ア戦のメンバー発表会見では笑顔も見せたジョーンズHCとリーチ主将
(撮影:早浪章弘)

「このワールドカップで、日本はリスペクトを得るために戦いにきた。大会後、世界中のラグビーファンが日本はリスペクトに値するチームだと、そう思われるような印象を与えたい。南アフリカに真っ向勝負する準備はできている」

 ラグビーワールドカップで史上初のベスト8入りをめざすジャパンの戦いがいよいよ始まる。初戦の相手は、過去2回の優勝を誇る世界ランキング3位の南アフリカだ。決戦を2日後に控えた17日、エディー・ジョーンズ ヘッドコーチは試合に臨むベストメンバーを明らかにし、力強く語った。

「まずはセットピースで戦えなければならない。そして、ボールを獲得したら動かす。日本はボールインプレータイムが多く必要だ。しかし、お互いに分析している。南アフリカはジャパンにテンポを作らせないようにしてくるだろう」

 オーストラリア代表ヘッドコーチとして南アとは何度も対戦し、2007年ワールドカップではそのライバルチームのテクニカル・アドバイザーに就任して彼らのラグビーカルチャーを知ったエディー。いまの南ア代表にはつけ入るスキがあるとみている。

「南アフリカはここまで苦戦している(今年のラグビーチャンピオンシップは全敗)。南アフリカがアルゼンチンに負けると誰が予想しただろう。何が待っているかわからない。南アフリカはセレクションを見ても、ここ最近のテストマッチの結果を見ても、かなりナーバスになっていると思う。通常ならばマットフィールドのような選手(123キャップを持つ38歳の世界的LO)には休みを与えるはずが、ジャパン戦に出してくるというのはナーバスになっているということ。そこのスキをジャパンがつければと思う」

 そのヴィクター・マットフィールドと競り合うのは、日本代表最多キャップ保持者の大野均だ。ジャパンが誇るロックは、「南アは世界一大きいチームで、しかもオーガナイズされている。世界でもベストなチーム」と敬意を表し、「ターゲットにしていたということもあり、重要な試合。ワールドカップだからといって特別なプレーができるわけではない。いつも通り、相手に刺さって、倒れてもまた起き上がって、走って…、その繰り返しを80分間やりたい」と意気込みを語った。
「自分たちの簡単なミスで相手にボールを渡さないようにしたい。それが勝負を分ける。スクラムはお互いに強みとしていて重要になってくるが、こっちから押してやるぞ、という気持ちではなくて、耐えて耐えて、後半の後半になって、向こうがガマン比べで崩れて、こっちに勝機が見えてきたらいいと思っている。まずは低く耐えること。そこを一番、重要視したい」

 指揮官は10番を小野晃征に任せる。
「コーセイ(小野)とハル(立川理道)については厳しいセレクションだった。ただ、コーセイがオーガニゼーションでベターだと判断した」

 左WTBには南アにゆかりがある松島幸太朗を起用。右WTBには「ビッグゲームをエンジョイできる」山田章仁が先発する。

 大舞台に強い男だ。所属チームのパナソニック ワイルドナイツがトップリーグ優勝を遂げた2010、13、14年度はいずれも山田がプレーオフMVPに輝いている。
 このお祭り男と対面になるのは、テストマッチ110試合で59トライを挙げ、世界最高のフィニッシャーのひとりといわれるブライアン・ハバナだが、「アグレッシブさでは負けられない」と山田は言った。
「彼よりもテレビ画面に多く入っていたい。ボールに絡んでいきたいという思いがあるので。攻守両面で、彼よりも、山田の方が動いてるなと思ってもらえるように。トライを取ったら選手はノッテくるもの。それを相手にはさせたくない。相手のパフォーマンスを低下させる。そして、自分は100パーセントの力を出せるように、集中したい」

 主将のリーチ マイケルは口数は少なかった。静かに闘志を燃やす。
「4年間、この試合のためにがんばってきた。どのように試合に臨むかが大事。やられる前に、やる。あまり熱くならないように、冷静に」

 第8回大会となる今回のラグビーワールドカップは、現地時間9月18日から10月31日までイングランドを中心に開催される。プールBの初戦となる日本代表×南アフリカ代表戦は、大会2日目の19日、ブライトン・コミュニティスタジアムで16時45分(日本時間20日0時45分)キックオフ。

<RWC 2015 プールB 日本代表 第1戦(対 南アフリカ)試合登録メンバー>

1.三上正貴 2.堀江翔太 3.畠山健介 4.トンプソン ルーク 5.大野均 6.リーチ マイケル(主将) 7.マイケル・ブロードハースト 8.ツイ ヘンドリック 9.田中史朗 10.小野晃征 11.松島幸太朗 12.クレイグ・ウィング 13.マレ・サウ 14.山田章仁 15.五郎丸歩  

〔リザーブ〕
16.木津武士 17.稲垣啓太 18.山下裕史 19.真壁伸弥 20.アマナキ・レレイ・マフィ 21.日和佐篤 22.立川理道 23.カーン・ヘスケス

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