日本代表ハラトア・ヴァイレア、献身誓う。「自分の仕事が終わったら次の仕事を探す」

待望の日本代表デビューまであと一歩だ。
昨季のジャパンラグビーリーグワンで計11トライとブレイクしたクボタスピアーズ船橋・東京ベイのハラトア・ヴァイレアが、7月5日、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州でのウェールズ代表戦でリザーブの23番をつける。現職のWTBをはじめ複数のポジションでスタンバイか。
ウェールズ代表は、高い弾道のキックを多用しそうだ。空中で相手と競り合いながら球を確保するのが、この26歳の得意技だ。
「ハイボールは僕の強み。向こうからでも、こっちからでも、キックがあったら(相手に)負けないように捕りに行きます」
身長185センチ、体重104キロのサイズで思い切りよく走り、「でかい身体を使って、(相手を)吹っ飛ばす!」。29日にはJAPAN XV名義によるマオリ・オールブラックス戦へも途中出場を果たし、力強いランニングでスタンドを沸かせた(東京・秩父宮ラグビー場/●20-53)。
今度の大一番では、もっとその機会を増やしたい。
エディー・ジョーンズ ヘッドコーチは『超速ラグビー』を唱え、ボールを持たない選手にも勤勉さを求める。端側のWTBは、持ち場と逆側のラインへも駆け込むのが是とされる。大器は述べる。
「ウェールズ代表戦へ、いつでもオプションになれるように自分のワークレート(仕事量)を高くしたい。自分の仕事が終わったら次の仕事を探し、そこに動きます。きついけれど、それが『超速ラグビー』です」
6月16日からの宮崎合宿では、昨年のレギュラー格と同じ組で実戦練習に出る機会が多かった。スコッド内には年代別代表で一緒だった友もいて、集団に溶け込むのは難しくなかったという。早朝トレーニングが重なる環境のもと、殊勝に語る。
「テストマッチのために皆、ハードワークしている。目標があるから、きついと考えずに練習を頑張ります」
出身地のトンガにいた少年時代は、ニュージーランドのシーンからも注目された。
もっとも15歳で来日し、「ずっとトップの桜のジャージィを着るのが目標でした」。今回のことを親に喜んでもらえるのが誇らしく、クリスチャンとあり「日本のために、家族のために、チームのために…その前に、神様のために頑張る」と意気込む。
キックオフの前とノーサイドの後には、その場にひざまずいて祈る。今度の大一番を済ませたら、無事と白星に感謝したい。