【関東大学春季交流大会】東洋大が大東大を相手に圧勝。

■関東大学春季交流大会Aグループ・6月8日@東洋大グラウンド
【東洋大 75-17 大東大】
6月8日、東洋大グラウンドで関東大学春季交流大会がおこなわれ、関東大学リーグ戦1部の東洋大がリーグの覇権を争う最大のライバル・大東大を75-17で退け、今大会の初勝利を飾った。一方の大東大はいまだ白星を得られず、6月22日、最終戦(対明大)を迎える。
この日、東洋大はディフェンスにフォーカスして試合に臨んだ。明大(7-64)、帝京大(13-66)戦での大敗を機に改めてチームの強みを再確認し、意識を高めたという。それがこの試合では、最後まで徹底されていた。それぞれの選手が持ち場の使命をしっかりとこなし、一つひとつのプレーで強度の高さを見せた。それはトライ数、点差以上にペナルティの少なさ、『前半1、後半1』に表れている。
「とにかく、この試合ではディフェンスと規律を意識しました」。
福永昇三監督は試合後、対抗戦グループとの敗戦を受けて、あらためてこの2つを徹底したと話してくれた。堅いディフェンスに接点の激しさで優位に立ったゲーム展開を振り返っても、成果は十分に表れた。
規律の取れた守備組織で、大きくバックスに展開を試みる大東大の攻撃を幾度も食い止め、それを大きなチャンスへと変えてみせた。
そしてもう一つ。
「ディフェンスをベースにセットのはやさも意識しました」と話してくれたのは、最後まで低いスクラムをコントロールし続けたHO小泉柊人。フロントローの3人を軸に8人で組むスクラムは、最後まで大きな塊となって大東大を圧倒した。
先制点は東洋大。2分、敵陣左22㍍付近のラインアウトから左右に大きく揺さぶり、仕上げはSO池渕紅志郎のパスを受けた、WTB神真広がゴール下に飛び込んだ。準備していたシェイプがことごとくハマった東洋大は、その後もたたみかける。12分にモールを起点にHO小泉が、15分にはFW陣がサイドを攻略して局地戦を制すると、最後はNO8森山海宇オスティンが仕留めた(19-0)。
19分に大東大のSO伊藤和樹のキックで自陣深くに侵入され、モールで押し込まれ1トライを許したが、攻撃の手は緩まなかった。
ウォーターブレイク明けの25分には、ラインアウトを起点にNO8森山海宇オスティンが大きくブレイクすると、手薄となった左サイドを攻め、LO進藤優弥→HO小泉→WTB神へとつなぎ26‐5とリードを大きく広げる。
結局、前半は、ブレイクダウンの局面で上回り、ライバルから反則を誘発し続けた東洋大が、HO小泉の3トライを含む6つのトライで40-12とし前半を折り返した。
後半に入っても、東洋大の集中力は途切れなかった。
5分に自陣10㍍線付近のスクラムでもぎ取ったペナルティからワイドに展開し、連続攻撃を仕掛け、最後はギャップを突いたNO8森山海宇オスティンがこの日、2本目のトライをマークした。
13分にも、敵陣右22㍍線付近のスクラムで得たペナルティから、ゴール前まで攻め込むと、SO池渕→CTB五十嵐舜悟へとつなぎ、最後は大外で待つWTB神が走り切った。スコアは54-12。勝敗は決した。その後も3本のトライを追加した東洋大が、最後まで攻撃の手を緩めず、昨季のリーグ戦王者・大東大を75-17でくだし、春季大会では嬉しい1勝目を飾った。
「帝京大戦での反省を生かして練習に励んだ成果が出ました」と話してくれたのは、巧みなコース取りからのダイナミックなランで大東大の守備網を切り裂いたWTB神。ただし、反省も忘れなかった。
「チームとしてはやいセットを心がけましたが、疲れてくる時間帯はそれができなかった。そこを、後半は大東大に突かれました」
チームを勝利へと導いた福永監督は、「対抗戦のチームと戦ってみて、スピード、フィジカル、強度を肌で感じました。ただ、それを受けて、チームの意識が変わり始めました。真剣に努力するようになってきたと実感しています。いよいよスイッチが入ってきたかな」と手応えつかんだようだ。
一方の大東大は、SO伊藤を軸にした展開力は脅威。これから、どんなふうにチームを仕上げていくのか。注目して見守りたい。
<次戦日程>
・6月22日(日)東洋大 vs 東海大@東海大グラウンド
・6月22日(日)大東大 vs 明大@明大グラウンド