日本代表 2025.05.01

来季は「良い経験」と言わない。白國亮大[大阪府警察/男子セブンズ日本代表]

[ 明石尚之 ]
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来季は「良い経験」と言わない。白國亮大[大阪府警察/男子セブンズ日本代表]
同じ帝京大出身で大阪府警察でもともにプレーする志和池豊馬と、代表でも一緒に活動する「府警から2人で行けるのは嬉しいですし、(帝京大の)同期にも喜んでくれます」(撮影:平本芳臣)

 警察官が世界を舞台に戦っている。

 白國亮大は昨季、男子セブンズ日本代表に初めて選出された。

 関西の社会人チャンピオンとして出場した「ジャパンセブンズ2024」での活躍が認められたからだ。
 所属する大阪府警察は準優勝だった。

「セブンス中心で突っ走った1年でした。それまではセブンズのことをほとんど分かっていなかったのですが、この1年で一気に知ることができました」

 2024-25シーズン最後の試合となった「HSBCセブンズチャレンジャー2025」の第3戦・クラクフ大会(ポーランド)を終えた翌週には、花園ラグビー場にいた。
 時差ボケも抜け切らず、「疲労感もかなりある」中で、関西セブンズフェスティバルに参加したのだ。

 チームへの感謝を伝える。
「所属しているのは大阪府警ですから」

 ただ、そんなコンディションだったから、出場時間は制限された。
 それでも、チームは連覇を果たした。

「府警らしく最後まで粘り、フィジカルを生かしながらパスを繋いでトライを取れた。ベンチから見ていても(相手に)怖さは感じなかったし、自分が入ったらみんなについていこうと思っていました」

 昨シーズンで大学選手権の連覇を「4」まで伸ばした帝京大出身。
 2021年度、その連覇の始まりを担った。

 決勝では明大相手に一人で3度、トライラインを越えた。
 エリート軍団の中で全国大会とは無縁だった摂津高校出身とあって、167センチ、73キロ(現在)と小柄なWTBは度々フィーチャーされた。

 その活躍が世に知れ渡る前、3年時には府警に進むと決めていた。

「どちらかというと、セブンスの方が15人制よりも得意だろうなとは思っていました。大阪府警に決めた時には、チャンスがあるならセブンスで日本代表になりたいなと」

 いざ目指していたものを手にすると、「はじめは夢のような時間だった」と表情を崩す。

 9月のアジアラグビーセブンズシリーズで初キャップ。韓国、中国、タイとアジア3か国を回り、その後は南アフリカ、ポーランドにも渡った。

 特に、南ア・ケープタウンで見た壮大な山々は目に焼きついている。
「毎日見ていても見飽きなかったです」

 3月から開催されたセブンズチャレンジャーからは、明大3年の大和哲将とともに共同キャプテンを担った。

 白國にとっては人生初のキャプテン。「驚きました」と目を丸くした。

「試合でのプレーや合宿中の姿勢で見本となれるように、みんながしっかりしないといけないと思えるような行動を心がけました」

 初めて経験したセブンズチャレンジャーは、3戦戦って総合7位。「HSBC SVNS」の下位チームと来季の出場枠を争うプレーオフには進めなかったから、結果を残せなかった。

 それでも、「トップレベルでセブンスをやることが初めての選手ばかりでした。その中で接戦を勝ち切れる試合ができたのは良い経験でした」と前向きに振り返る。

 来季への決意を語る。
「でも来シーズンは良い経験になったとは言えません。結果を残せるように、ここから変わっていきたいです」

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