サンゴリアス中野将伍。国内組多い陣容で恩師のサム・ケレビにぶつかる。
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師匠との激突へ、「いざやるとなれば、楽しみです」と微笑む。
東京サントリーサンゴリアスの中野将伍は、2月23日、ジャパンラグビーリーグワン1部の第9節に先発する。山梨・JITリサイクルインクスタジアムで、インサイドCTBの12番をつける。
対する浦安D-Rocksの対面には、オーストラリア代表50キャップ(代表戦出場数)のサム・ケレビが入る。
ケレビは2022年度までの4季、サンゴリアスに在籍していて、’20年に加わった中野将は個人練習で師事。タックラーに捕まりながら立ったままボールを繋ぐ、オフロードパスの技術を磨いてきた。
都内の本拠地で取材に応じたのは21日。メンバー発表を間近に控え、対面対決が叶うのを心待ちにしていた。
身長186センチ、体重98キロの27歳。国内出身者にあっては希少な大型ランナーとして、日本代表7キャップを獲得した。
しかし、‘23年のワールドカップフランス大会へは直前の怪我の影響で不参加。一時は大会登録スコッドに名を連ねたが、開戦前に離脱を余儀なくされた。
前年度のリーグワンでも、コンディションが整わず1試合のみの出場に止まった。今季は初戦から第8節までに計6試合でプレーした。復調傾向にある。
「復帰して、最初はうまくいかないことも多かったですが、トレーニングの時からやることを明確にして意識し続けていることでいい方向になってきていると思います。まずは自分の強みのボールキャリー、フィジカルを出す。また、パスでスペースを攻めることとのバランスをよくしてチームのモメンタム(勢い)を出す」
チームは現在12チーム中7位。開幕から4戦続けて未勝利も、攻め方や準備方法を見直したことで第5節より3連勝。第8節でも、前年度王者の東芝ブレイブルーパス東京と33-43と打ち合った。
防御に課題を残しながら、「アグレッシブ・アタッキングラグビー」という伝統的なスタイルを再定着させつつある。
第9節へは、故障者の関係もあり23名中18名を国内出身者とする。国際化の進むリーグワンにあっては珍しい陣容で、ここまで1勝で最下位のD-Rocksのそれより7名も多い。
就任1年目の小野晃征ヘッドコーチが「クラブとして、誰が出てもアグレッシブアタッキングができるよう準備している」と語る一方、ケレビとの再会が待たれる中野将はこう述べていた。
「日本人(中心)で勝つのも、いいことです。(リーグ全体の傾向上)CTBは大体、対面が外国人になります。相手が外国人であろうが関係なく、勝つ、ということを意識します」
国際舞台への意欲は消えない。昨年就任した日本代表のエディー・ジョーンズヘッドコーチからは、「状態を戻すのは簡単ではないだろうけど、ハードワークして、自分の強みを忘れずにプレーするように」と発破をかけられているという。
「代表へ戻るために、まずはリーグワンで…。やることは大きく変わらないです。強みを出してモメンタムを出す」
海外勢顔負けの破壊力を示したい。