リーグワン決勝後初の全力疾走? 日本代表リーチマイケル、打倒イングランド代表宣言。
全力を尽くすのが流儀だ。
ラグビー日本代表のリーチ マイケルは6月1日、東京・夢の島公園のアーチェリー場でたくさんの子どもに追い回されながらステップ、スワーブを切った。息を切らした。
5月26日のリーグワン決勝以来、初めてトップスピードで走ったという。2011年入部の東芝ブレイブルーパス東京の主将として、クラブにとって’09年度以来となる日本一になった35歳は笑う。
「きょうは(久々に)身体を動かして、子どもにも会えて、元気をもらいました」
参加したのは「ボールパーク体験会」。元ラグビー⽇本代表の⿑藤祐也氏らがラグビー、ハンドボール、フットサルのゲームを実施。参加した計65名の未就学児、小学生の楽しむ心、挑戦心を引き出すよう努めた。
⿑藤氏はかねて、スキルアップのみを目的としないスポーツ教室を展開していた。不動産仲介業者の「プロフィッツ」の田中慎一郎代表が、その理念に賛同。顧客の共感も得られるこの教育的な取り組みを支えられればと、株式会社「Growth Sports Academy」を設立した。今度の体験会は無料で開いた。今後は拠点を設け、定期開催を目指す。
リーチがゲストとして混ざったのは、田中氏、⿑藤氏との親交がきっかけだ。リーチは、⿑藤氏が企画したアクティビティにも積極的に取り組んだ。
流れのなかで、ボールを持って駆けるキッズを捕まえるよう頼まれた。⿑藤氏の「いまからリーチ選手を追い抜いてトライするゲームをします」という呼びかけを受け、「難しいよぉ」とほほ笑んだ。
ダッシュして、休憩をとって、子どもたちへのメッセージを求められた。簡潔に伝えた。
「僕が5歳から35歳まで現役を続けられた理由は、楽しさを忘れなかったこと。楽しさを見つけてやるのが大事です。仲間も大切。子どもの頃から、大人まで、自分の仲間を大切にすると、いいことが起こると思います。そして、チャレンジすること。何でもいいから失敗を恐れずに、どんなことでもチャレンジし続ける。失敗から学ぶことはたくさんある。僕は東芝に入って、(最近の)1回しか優勝したことがない。失敗からたくさん学んで優勝できました」
前日まではチームの責任企業である東芝、さらにはホストタウンである府中市内であいさつ回り、取材対応に時間を割いてきた。5日後には、日本代表の宮崎合宿に合流する。
多忙ななかでもエネルギーを保つ。日本代表として22日、東京・国立競技場でイングランド代表に挑む。自身4度目の出場となった、昨秋のワールドカップ(フランス大会)で敗れた相手だ。
「しっかり結果を出す。いい勝負をして負けるんじゃなく、勝ちたい。言い訳なし。全力を尽くして勝ちたいです。そろそろ、勝たないといけないので」
今度のスコッドに若手が多いのを踏まえ、こう展望する。
「まず、メンタリティから。向こうの強みと自分たちの強みを理解して、向こうの強みを消して自分たちの強みを出すようなメンタリティを作る。そして、勝ちたいメンタリティを作る。それは当日にではなくて、準備の段階から作る。ひとつひとつの練習を大事にして、プロセスを作り上げたいです」
想定されるポジションはLO。本職のFLやNO8とは異なる位置に「チャレンジ」する。