国内 2024.05.04

多くの仲間と共に。甲南ラグビー部100周年記念式典開催。

[ 中矢健太 ]
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多くの仲間と共に。甲南ラグビー部100周年記念式典開催。
約430人が出席。主なOBに福地達彦(元近鉄SH)、松岡大和(現S愛知FL)、渡辺龍(元京産大PR)ら(甲南ラグビー100周年実行委員会提供)

 1924年の創部から100年、中高大で歴史を紡いできた。

 関西大学ラグビーBリーグに所属する甲南大学体育会ラグビーフットボール部、そして甲南高等学校・中学校ラグビー部が4月28日、神戸メリケンパークオリエンタルホテルで甲南ラグビー部創部100周年記念式典を開催した。

 式典には中高大の現役ラグビー部員をはじめ、OB、学校職員、関西のラグビースクールや高校関係者ら約430人が集まった。川口武・甲南ラグビークラブ中高OB会会長の開会挨拶で始まった。

 式典の中盤では、中高大ラグビー部の主将がそれぞれの活動を報告。原黄宗徹(はらき そうてつ)・高校ラグビー部主将は「勝ちにこだわるチームとして、日々の厳しい練習も、甲南の良いところである縦と横の繋がりを生かして切磋琢磨していきたい。100周年という節目に花園出場を目指して、チーム一丸となって頑張っていきたい」と述べた。

 また、全国大会で常に上位に君臨する甲南高等学校・中学校のブラスアンサンブル部が演奏を披露し、式典に華を添えた。

 100年の歴史の中で、多くの学校と歩みを共にしてきた。
 東京の成蹊高等学校・大学とは1937年(昭和12年)から定期戦を設けている。旧制成蹊高校の卒業生であった南郷茂治氏が、教員として旧制甲南高校に赴任。ラグビー部を指導したことをきっかけに始まった。2004年には、勝利したチームに送られる記念カップが「南郷杯」と名付けられ、今に至る。試合後は、アフターマッチファンクションを通じて両校の記念Tシャツを交換し、お互いの健闘を讃え合う。

 地元の灘高校とは1953年から定期戦を結ぶ。ラグビー部のみならず、全ての運動部をはじめ、学校をあげての交流戦となる。甲南生は「灘甲戦」、灘高生は「甲南定期戦」と呼び、毎年6月、1年おきに会場を入れ替えながら開催される。

 中でも、灘高ラグビー部の3年生の大半は、大学受験に向けて6月で完全に引退する。そのため、3年生は秋にある全国大会予選には出られない。つまり、彼らの最終目標は、この定期戦に勝って引退すること。この試合が人生で最後のラグビーになるかもしれない。少なくとも、そのチームで迎えるラストゲームだ。中高6年間のすべてを、甲南を倒すためにぶつける。今年で70回目になる伝統の一戦は熱く、多くの接戦を繰り広げてきた。

 他にも、学習院大学、中央大学、神戸大学。甲南ラグビーは多くの仲間とともに歩んできた。ラグビーは一人ではできない。縦と横、内と外。世代をも超えて、その襷は繋がれてきた。

 100年を超えたこの先も、それは変わらないだろう。

最後は中高大、OBで部歌を斉唱した(甲南ラグビー100周年実行委員会提供)

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