初年度以来の王座へ 規律を守り首位通過の神戸製鋼、ヤマハ迎え撃つ
(撮影:Hiroaki. UENO)
日本最高峰ラグビートップリーグ(TL)の神戸製鋼は今季、元南アフリカ代表アシスタントコーチのギャリー・ゴールド ヘッドコーチ(HC)に規律を植えつけられた。現行システム下では初のリーグ戦首位に立ち、上位4強によるプレーオフトーナメント(PO)に3季連続4回目の出場を果たす。
新指揮官の手腕は守備に現れた。ファーストステージの上位8チームによるセカンドステージでは、総失点を4強で最も少ない113に抑えた。肉弾戦に圧力をかける。接点の周辺に人数を揃え、球が出るや揃って前に出る…。簡潔なシステムを遵守する姿勢を貫き、FL橋本大輝主将は「80分、規律を守れば結果もついてくる」と自信を深めた。
「誰か1人キーマンを挙げるのはフェアではない。チーム全体が同じプログラムを理解し、遂行することが大事」とゴールドHC。来日2年目で八面六臂の活躍を示した南アフリカ代表29キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)のLOアンドリース・ベッカーも、ボスと同じ思いで身長208センチ、体重121キロの身体を駆動させる。
「チームが個々ではなく、チーム全員でプレーできている。いいシステムで守れている。少なくとも私は、正しかろうが間違っていようがチームが決めたことをバックアップする。(試合中の)悪い判断をいい判断に変えるためにも、バックアップする」
24日、大阪・近鉄花園ラグビー場でリーグ戦4位のヤマハと準決勝をおこなう。セカンドステージ第4節での直接対決時は40-10と勝利も(2014年12月21日/ノエビアスタジアム神戸)、ゴールドHCは気を引き締める。相手のチームとしての強みと、就任4年目となる清宮克幸監督をこう称えた。
「強いセットプレーがあることも、そこから広大な攻撃を仕掛けることも知っています。(清宮監督は)すごくいい仕事をしている。選手が彼のもとでプレーすることはハッピーだと思っているように映る。ヤマハのFWの勢いを止めないと、我々は勝てない」
チームを率いるのは今年度限りとなるゴールドHCは、「ノックアウトステージは、ミスが試合結果に直結する」。トーナメント戦となるPOを前に、緊張感を保つ。