緊急来日のニコラス・サンチェス、新加入サンゴリアスで次節出場へ意欲。
オファーは故郷の自宅で受けたという。
アルゼンチン代表104キャップのニコラス・サンチェスが、12月28日、オンラインで東京サントリーサンゴリアスの入団会見に臨んだ。
「このような素晴らしいチームに入団でき、興奮しています。新しいチャレンジ、楽しみにしています」
身長177センチ、体重83キロの35歳。2015年のワールドカップ(以下、W杯)の得点王で、キックとゲーム制御を長所とする。自身4度目のW杯となるフランス大会の段階では進路未定も、帰国後、サンゴリアスから誘われた。
同部では、新加入するSOのガレス・アンスコムがフランス大会のケガにより選手登録をしないこととなった。そこでサンチェスに白羽の矢が立った。サンゴリアスからのラブコールに、本人も即答した。
自身と同じアルゼンチン代表で現三重ホンダヒートのFL、パブロ・マテーラからも日本で過ごすメリットについて聞いていたという。「パブロにとっても、彼の家族にとってもいい経験になっていると聞いています」と話し、こうも続けた。
「日本のラグビーのリーグワンはいい局面を迎えていると思っています。たくさん試合を拝見していますが、スピードがあり、インテンシティが高い」
12月21日に来日し、27日にはグラウンド練習へ初参加した。旧トップリーグ時代に5度優勝のサンゴリアスには、かねて「ウイニングメンタリティ」があると感じていた。
実際、その輪に加われば、「ハードワークを大切にする」という特徴があるとわかった。練習の強度、速度に感銘を受けた。
サンチェスは1季のみの契約。すでに開幕しているシーズンでは「(デビューがいつかは)まだわかりませんが、来週には出られればいいなと思っています」「私にとっての初戦を楽しみにしています」と、早期の試合出場を目指す。
連続攻撃と戦略的なキックをバランスよく織り交ぜたい今季のチームにあって、22歳の高本幹也らとポジションを争う。新しい同僚には他に、南アフリカ代表31キャップのチェスリン・コルビ、日本代表55キャップの松島幸太朗といった世界的なランナーが並ぶ。
一方、加盟する国内リーグワン1部でも各クラブが世界的選手を揃える。
1月6日の第4節で、サンゴリアスはコベルコ神戸スティーラーズとぶつかる。サンチェスは相手の擁するニュージーランド代表経験者の名を挙げ、東京・秩父宮ラグビー場での対決を心待ちにしていた。
「いま控えているスティーラーズ戦はタフですね。アーディ・サヴェア、ナニ・ラウマペ、ブロディ・レタリックと、対戦経験のある選手がいて、(戦うのが)楽しみ。一番、大切なのは、できる限りチームのプレーを覚え、適応することです。それをすることで来週、もしくはその翌週にプレーする機会が生まれると思います。自分の経験、エネルギーをチームと共有し、(周りを)鼓舞できればと思います」
会見があったこの日は、クラブハウスの大掃除に参加したようだ。「自分にとっては初めて(の体験)」と、日本の風習を楽しんでいた。
「また、祖国では室内でも靴を履きますが、日本でそれをするのは違うと感じました。人の家にあがる時、クラブハウスに来た時は、外履きを脱いで違う靴に履き替えています。できる限り、様々な形で日本文化を学べたら」
5月までのシーズンを通し、組織にどれだけの相乗効果をもたらすだろうか。