死闘制したのは横浜キヤノンイーグルス 最後は14人でトヨタヴェルブリッツの猛攻をしのぐ
ラグビーワールドカップ2023フランス大会の決勝で対戦した南アフリカ代表とニュージーランド代表の英雄たちが、ジャージーの色を変えてジャパンラグビー リーグワンの舞台で再び火花を散らせた。12月16日、南アフリカのSHファフ・デクラークとCTBジェシー・クリエルは横浜キヤノンイーグルスのスターターとして、ニュージーランドのSHアーロン・スミスとSOボーデン・バレットはトヨタヴェルブリッツの9番、10番をつけて、3万1312人の観客が入った神奈川・日産スタジアムで激突。壮絶な戦いとなり、24-22で横浜キヤノンイーグルスが制した。
トヨタヴェルブリッツがバレットのペナルティゴールで先制したものの、横浜キヤノンイーグルスは前半14分、ラインアウト後、SHデクラークからパスを受けたSO田村優がランで切り込み、オフロードパスをもらったNO8シオネ・ハラシリが抜けてサポートのPR岡部崇人がゴールへ走りきった。
イーグルスはさらに25分、CTBクリエルらが相手にプレッシャーをかけてゴール前でのマイボールスクラムとすると、強力な赤いジャージーのFWパックが押し勝ち、NO8ハラシリがインゴールに押さえた。
対するトヨタヴェルブリッツは32分、SOバレットの好判断のキックとWTB岡田優輝のプレッシャー掛けで敵陣深くでのアタックチャンスをつかみ、ラインアウトから攻め込み、SHスミスから鋭いパスをもらった日本代表のCTBシオサイア・フィフィタが体勢を崩しながらもボールキープでタックルを外してインゴール右隅に突っ込み、イーグルスWTB松井千士も懸命に阻止しようとしたが、タッチライン際で踏ん張ったフィフィタのトライが認められた。バレットが厳しい角度からのコンバージョンを決め、貴重な2点を追加。
しかし、横浜キヤノンイーグルスはPGで加点し17-10で迎えた後半早々、ボールを保持してWTBヴィリアメ・タカヤワが右外を駆け上がり、バレットにタックルされながらも押し出される前にバックフリックパスでWTBイノケ・ブルアにつなぎ、トライ。田村優も優秀なゴールキッカーであり、リードを14点に広げた。
それでも、トヨタヴェルブリッツは46分(後半6分)、スクラムからの攻撃でゴールに迫り、WTB岡田がファイブポインターとなり食らいつく。
その後、両チームとも譲らぬ激しい攻防が続いた。プレーメーカーである9番、10番の世界的スターたちも接点やブレイクダウンで必死に体を張り、それぞれのチームを鼓舞した。
ハードワークで先発陣の疲労度がピークを迎えようとしていた終盤、9点を追うトヨタヴェルブリッツがフレッシュレッグのWTB山口修平の力走で67分、69分と敵陣深くに入ったものの、横浜キヤノンイーグルスは懸命に止め、粘り強く守った。
しかし、71分、LOリアキ・モリが危険なプレーで退出を命じられ、イーグルスは1人少ない14人で残り時間を戦うこととなる。数的有利となったトヨタヴェルブリッツは逆転を目指して勢いが増した。そして、その2分後、イーグルスのしぶといディフェンスに対してヴェルブリッツはがまんの連続攻撃でゴールに迫り、SHスミスがギャップを突いてインゴールに飛び込んだ。コンバージョン成功で2点差。
押せ押せムードのヴェルブリッツは78分にも攻め込み、FBディック・ウィルソンがタックルを外してゴールに迫る。しかし、イーグルスのLOマックス・ダグラスが執念で止め、FB竹澤正祥もカバーに入ってインゴールへのグラウンディングを許さず。
その後、両チームとも死力を尽くし、24-22からスコアは動かず、横浜キヤノンイーグルスがリードを守りきって激闘を制した。