海外 2023.11.30

スーパーラグビー パシフィック2024【プレビュー/オーストラリア】

[ 編集部 ]
スーパーラグビー パシフィック2024【プレビュー/オーストラリア】
左上から時計回りにWTBナワンガニタワセ、NO8ヴァレティニ、FLナシラシラ、SOゴードン、SOマクダーモット、LOウィリアムズ(Photo/Getty Images)

 スーパーラグビーパシフィック2024に加盟する、各チームのスコッドが11月9日に発表された。
 2月23日の開幕に先駆け、ここでは各チームのプレビューと注目選手を紹介。今回はオーストラリアフランチャイズの5チームを掲載する。

◆ニュージーランドフランチャイズの5チームの紹介はこちら



●ブランビーズ
2023RESULT 準決勝敗退(1次リーグ4位)

 2023年のスーパーラグビー・パシフィックでもオーストラリア勢で唯一の4強入り。同国のSRチームで、もっとも安定して力を発揮してきた歴史を持つ。
 2000年代前半にはエディー・ジョーンズ氏が指揮官を務めていた。FWは伝統的に強く、ブレイクダウンを制し、モールで点も取れる。
 ディフェンス面も堅実だ。組織力の高さは攻撃面にもあらわれ、チームとして相手防御を崩す。接戦に強いのも、ゲーム理解力によるものだ。

➀PRジェームズ・スリッパー
RWC2023オーストラリア代表選手の中で最多キャップのスクラメイジャー。

②NO8ロブ・ヴァレティニ
RWC2023オーストラリア代表。脅威の突破力でチームを牽引。ワールドクラス。

●ワラターズ
2023RESULT 準々決勝敗退(1次リーグ6位)

 オーストラリアで最も長い歴史を持ち、中心となってきたニューサウスウェールズ州が本拠地。歴史的に見ても選手層は厚い。
 ただ近年は上位進出がない。才能ある若手選手たちが、チームを上昇させようと奮闘中だ。チームの顔となってきたのは、オーストラリア代表でも長く主将を務めてきたFLマイケル・フーパー。2014年には、マイケル・チェイカ氏(現アルゼンチン代表HC)の指揮のもと、スーパーラグビー王者となった。

【注目選手】
➀PRアンガス・ベル
RWC2023オーストラリア代表。サイズに恵まれ、スクラム◎。機動力あるフロントロー。

②WTBマーク・ナワンガニタワセ
RWC2023オーストラリア代表。フィジーにルーツを持ち巧みなステップ、決定力。

●フィジアン・ドゥルア
2023RESULT 準々決勝敗退(1次リーグ7位)

 オーストラリアを破ってプールステージ突破、4度目の世界8強を叶えたフィジー代表。多くのキャップ保持選手たちにはSRの舞台でも注目が集まる。
 その成功を支えていたのは、スピードとパワーに運動量と選手たちが持つ天性の身体能力に加えて、コーチングの浸透だった。SRのフィジアン・ドゥルアでも指導陣は着々と体制を整える。3年目のミック・バーンHCはNZ、豪州、日本でクラブや代表でコーチングを支えてきた。
 新シーズンに向けては新たに盟友のアリスター・ロジャースをDFコーチに迎えさらに充実。昨季は2022年の11位から躍進し7位に食い込んだドゥルアが、さらなるステージを目指す。

【注目選手】
➀LOイソア・ナシラシラ
キャッチが光るラインアウトでの安定感で、フィジー代表チームの要に。運動量も抜群の逸材。

②FBイライサ・ドロアセセ
RWC2023にはフィジー代表として全試合に先発出場。187㌢の長身で輝きを放った。

③WTBセレスティノ・ラヴタウマンダ
RWC2023フィジー代表としてジョーシア戦など2試合出場の23歳。体重100㌔に迫るパワーも。

●レッズ
2023RESULT 準々決勝敗退(1次リーグ8位)

 ワラターズと並び、長くオーストラリアの中心となってきた。昨季まで指揮を執ったブラッド・ソーン氏が辛抱強く若手を育てた成果は、RWC2023でオーストラリア代表副将を務めたSHテイト・マクダーモットら何人もの選手を送り出していることでも分かる。
 しかし2011年にスーパーラグビー王者となった以降、2020年に国内王者となった以外は目立った成績は残せていない。今季からは前ロンドン・アイリッシュHCのレス・キシュ新HCをはじめ、新体制でチームの上昇を目指す。

➀FLフレイザー・マクライト
RWC2023オーストラリア代表。ボールと相手を追い続ける。

②SHテイト・マクダーモット
RWC2023オーストラリア代表副将。強気のプレースタイルでサイド突破も。

●フォース
2023RESULT 1次リーグ10位

 下位脱出を図りたいフォースは今季も大型補強。RWC2023オーストラリア代表のSHニック・ホワイト(ブランビーズ)やSOベン・ドナルドソン(ワラターズ)、チーフスからPRアトゥ・モリ(RWC2019NZ代表)など即戦力を獲得した。
 さらに、FBチェイス・ティアティアら昨季移籍してきた実力者たちも多く残り、SR復帰5季目にして戦力は整っている。昨季は元ワラビーズのLOアイザック・ロッダをケガで欠いても、ラインアウトではリーグトップの獲得率を記録。若手LOも育っている。
 2季目のサイモン・クロンHC(前トヨタV)のもと、チーム力を高めたい。

【注目選手】
➀SHニック・ホワイト
ブランビーズから移籍。ディフェンスでの貢献度も高い闘志あふれるファイター。

②SHアイザック・ファインズ=レレイワサ
豪州A代表から昇格してRWC2023オーストラリア代表に。今季はホワイトとポジションを争う。

③SO/FBベン・ドナルドソン
ワラターズから移籍したRWC2023オーストラリア代表。ジョージア戦では2T3G3PGでPOTMに選ばれた。

●レベルズ
2023RESULT 1次リーグ11位

 昨季は12位中11位と低迷も、若手選手たちがワラビーズに選出された。レベルの高い経験を積んだ二十代前半の選手たちの成長がチームのベースアップを牽引する。
 指揮官は3季目となるケヴィン・フット。FW偏重のスタイルから脱皮しようとなお格闘中だ。
 今季は、元ABsのCTB、イングランドでの経験を積んだマット・プロクターと複数年契約を交わし、展開のスタイルにアクセントを加える。ベテラン勢には豪州キャップ62のFBホッジらの存在も。チームは、昨季から近鉄ライナーズと提携し交流戦をおこなっている。

【注目選手】
➀SOカーター・ゴードン
2023年、衝撃の初招集から、RWC2023出場を勝ち取った。189㌢の司令塔。

②FLジョシュ・ケメニー
ケガ明け翌年に突然のワラビーズ招集。タフに戦うFLはWTB起用も示唆される身体能力。

③LO/FLロブ・レオタ
前季はチームの主将を託され、苦境のチームを支えた。LOもFLもこなすリーダー。

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