ワールドカップ 2023.10.08

2007年大会以来の準々決勝へ、いい空気。フィジー、ポルトガル戦に集中

[ 池貝亨 ]
2007年大会以来の準々決勝へ、いい空気。フィジー、ポルトガル戦に集中
中央はCTBワイセア・ナヤザレヴ主将。(撮影/池貝 亨)



 ジャパンのアルゼンチン戦勝利のニュースで、快挙は霞んでしまうかもしれない。
 その大一番の2試合後におこなわれるフィジー対ポルトガルはフィジーの2007年大会以来の準々決勝進出がかかっている(日本時間10月9日、午前4時キックオフ)。

 そのフィジー代表がスタジアム・ド・トゥールーズで現地時間の10月7日、13時よりキャプテンズランをおこなった。

 ピッチに姿を現した選手はリラックスした表情で、メディアに公開された冒頭はサッカーでウォームアップ。楽しそうな声があふれていたが、トレーニングが始まるとともに真剣な表情に変わっていった。

 練習後の記者会見には、グレン・ジャクソン アシスタントコーチ、PRエロニ・マウィ、LOイソア・ナシラシラが出席、ランキングでは離れているポルトガルに対して警戒を口にした。
「いずれの試合でもすばらしいプレーを披露しており、簡単に勝たせてはくれないだろう」とジャクソン コーチ。

 プレミアシップのサラセンズで揉まれ、今やリーダーの風格を感じるPRマウィは「準々決勝のことよりこのポルトガル戦に集中してきた。練習もこれまで通り」と自信を持っている。

 若きLOのナシラシラは初のワールドカップでこれまでの3試合ですべて先発出場を果たしている。
「若いフィジアン・ドゥルアの選手にとっては、ワールドカップに出ることは大きなステップ。いい道筋が示せていると思う」と自分のようにドゥルアの選手が続いてほしいと願っている。

 10月3日にショッキングなニュースが報じられた。
 CTBチョスア・トゥイソヴァの7歳の息子が長い闘病ののち亡くなっていたが、トゥイソヴァ本人に伝えられたのが、ジョージア戦キックオフの前であったという。だが、父親は葬儀のために帰国するよりチームでプレーすることを選んだ。

 チームはベースキャンプのボルドーから10月6日に移動。ボルドーでは地元サポーターの熱烈な歓迎、応援を受けた。移動前日には伝統料理のロボ(焼いた石で芋や肉などの蒸し焼きにした料理)を作り、雰囲気もいい。

 ボルドーでおこなわれたジョージア戦では多くのフランス人がフィジーを応援していた。
 明日は地理的に近いポルトガルからもサポーターが多数押し寄せそうだが、トゥールーズでも地元の応援を味方につけたい。

練習後の記者会見。左からグレン・ジャクソン アシスタントコーチ、LOイソア・ナシラシラ、PRエロニ・マウィ。(撮影/池貝 亨)

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