リーチの後輩、近藤悟主将も故郷を離れて札幌で成長中。「これまでにない山の手ラグビーを」
かつてリーチ マイケルも着たジャージーの少年たちが躍動していた。
7月23日(日)、札幌・月寒ラグビー場。今回で50回目の北海道高校選抜大会の準決勝がおこなわれた。
第1試合では、札幌山の手が神戸科学技術(兵庫)から33-11と勝利を挙げた。
同24日には、青森山田(青森)との決勝を戦う。
前半は12-8。後半に差を広げた試合を振り返り、SH近藤悟主将は「前半は風下でやりたいことができませんでした」と話した。
「ミスも続き、苦戦しました。ただ後半は風上に立ち、前に出られるようになった。終盤はミスやペナルティも減り、うまく戦えたと思います」
前日はチームの仲間とともに、札幌ドームでおこなわれた日本代表×サモア代表の観戦に出かけた。
同日は全校生徒でリーチ先輩を応援。スタンドから勝利を祈った。
しかし、スコアは22-24。日本代表は惜敗し、先輩は前半30分のアクションが相手頭部への危険なプレーと判断されてレッドカードを受けた。
予想できない展開となった。
それでも、迫力あるプレーを楽しんだ。近藤主将は、初めての日本代表戦観戦だった。
「両チーム、熱いプレーをするな、と素直に感じました」
先輩のプレーも目に焼き付けた。
「いいオフロードパスもありましたよね。コンタクトでもバッチーンと当たっていました。レッドカードで短い時間しか見られなかったのは残念でしたが、迫力があった」
「リーチさんは去年(2022年)の全国高校セブンズに来てくれました。メンタルやコンタクトのことについてアドバイスしてくれました」
誰にでも挨拶をしていた高校時代の思い出も教えてくれた。
近藤主将は、先輩の行動や姿勢を見て、「みんなの鑑」と、憧れの気持ちをあらためて表現した。
同主将は大阪・東生野中出身。故郷を離れて高校時代を過ごしている。
姉の幼馴染が札幌山の手に進学して身近に感じていた。
同校の花園出場時、東生野中と合同練習をしたことがある。その際に感じたチームの雰囲気を気に入って、進学を決意した。
最終学年を迎え、「これまでにない山の手のラグビーをしたい」と意気込む。
「いい選手たちもいます。これまでは、FWや留学生のパワーを中心とした戦いをしていましたが、FWでもBKでも攻められるようになり、全国大会でも上にいけるチームになりたいですね」
神戸科学技術に勝ち、「関西同士で合同練習や試合を多くして試合慣れをしていたように感じました。そこに勝ち切れたのは成長したところだと感じました」と言う。
自身は2年生でSHに転向する前はFBで、ランプレーにも自信がある。
日本ラグビー協会が選出した、2022年度のU17ユーストレセンにも名を連ねて将来は明るい。
まずは昨年逃した花園出場をつかみ、大学シーンやリーグワンなど、階段を昇り続けたい。