日本代表 2023.07.04

2度目のワールドカップへ。ムーアが日本代表復帰。「身体の状態はベスト」

[ 向 風見也 ]
2度目のワールドカップへ。ムーアが日本代表復帰。「身体の状態はベスト」
日本代表の浦安合宿期間中、メディア対応するジェームス・ムーア(撮影:松本かおり)


 ジェームス・ムーアが帰ってきた。
 
 ワールドカップ・フランス大会を今秋に控えるラグビー日本代表は、6月12日から浦安合宿を実施。7月は拠点を宮崎に移し、週に一度のペースで5連戦に挑む。

 2019年のワールドカップ日本大会で初めて決勝トーナメントに進んだチームは、段階的に選手を入れ替えながら新しい大会を迎えようとしている。

 その輪に、ムーアが合流した。

 猛練習の多い浦安での活動中、こう述べていた。

「タフな時間でしたが、ワールドカップへのベースが作れました」

 身長195センチ、体重110キロの30歳。2016年に来日し、東芝ブレイブルーパス、宗像サニックスブルース(廃部)を経て、現在は浦安D-Rocksに所属する。

 タックルは質、量ともに定評があり、日本代表として計13キャップ(代表戦出場数)を得た。

 特に代表デビューの年に迎えたワールドカップ日本大会では、チームが与えられた全5試合に先発した。強豪のアイルランド代表を破った2戦目では、両軍通算最多となる24本ものタックルを放った。

 以前、こう話していた。

「タックルはこの後も磨き続けたい。なぜならこのエリアは、自分が世界一になれる可能性のある、重要な部分だからです」
 
 昨年はリカバリーに時間を費やした。2019年からずっと痛めていた右肩にメスを入れ、その後に発生した「小さいけが」や脳震盪の問題とも向き合った。

 日本代表は外から応援した。2022年のテストマッチに触れては、「すごくいいパフォーマンスを発揮した試合もいくつかあり、若手も台頭している。観ていてわくわくしました」。モチベーションを保った。

「復帰したい。そのためにはフィットネスを戻さないとな…とも」

 この春、約1年ぶりの代表復帰が叶い、いまに至る。浦安のキャンプでは、「100パーセント」の状態でトレーニングに挑んでいるようだ。

「ラグビーができていない間もジムでのストレングス、フィットネスのトレーニングはできていました。身体の状態はいままでで一番、ベストです。(2019年ワールドカップは)自分のラグビーキャリアにおけるハイライトでした。ただ今回は、それをさらに超えていこうと考えています。前回よりもいい状態のコンディショニングをさらに押し上げ、マインドセットを『自分がフィジカルバトルに勝てる』という方向につなげることが必要です」

 今回、LOで登録されているのは、兼任選手を含めて6名。そのうち2019年のワールドカップ経験者は、ムーアとヘル ウヴェの2名のみだ。

 キャリアを活かして周りを引っ張る意志について、ムーアは「他のLO陣と比べて経験がある分、リーダーとしての責任があるとは思います。ただ、いまはLO陣がグループとして働き、学んでいます」。まずはプレーで規範を示す。

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