国内
2014.09.05
NO8バーガー、「肝」を抑える サントリーがキヤノンに辛勝
誇り高き南ア人ラガーマン。ハードファイトを貫くスカルク・バーガー(撮影:松本かおり)
<トップリーグ 2014-2015 1stステージ 第3節 プールB>
サントリー 20−17 キヤノン
(2014年9月5日/東京・秩父宮ラグビー場)
昨季7位のキヤノンの最後の反攻の先、長い腕が待っていた。前年度準優勝のサントリーに新加入の南アフリカ代表71キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)、NO8スカルク・バーガー。自陣中盤の密集に腕を突っ込み、球に絡み、ノーサイドの笛を聞いた。3点差の勝利に「あの時は疲れていたかも。早く、ボールを獲りたかった」と本人が笑えば、大久保直弥監督は「どこがゲームの肝か(がわかっている)」。
プレーの起点であるセットプレーと攻撃時のボールの継続方法でお互いが苦しむなか、「肝」を知る人が光った。13-17と4点差を追う後半32分、敵陣ゴール前右中間のスクラムを左脇から飛び出し、逆転した。相手をじりりとプッシュした前列の仲間に感謝しつつ、最後まで押し切るのは難しいとも感じていたらしい。猛攻撃で鳴らすチームが開幕3連勝もここまで6トライと受難の時期、要所で「冷静」だった助っ人は2節連続のマン・オブ・ザ・マッチ。
キヤノンにも再逆転の好機はあった。後半36分、インゴールに蹴られたボールをWTB和田拓主将が追いつく。ノックオンで、得点はならなかった。「あそこで冷静になれるように…」
(文:向 風見也)