マスターズ花園、今年も開催。10校のOBが花園を駆ける

40歳以上の高校ラグビーのOBたちが<生涯スポーツとしてのラグビー>を合言葉に、現役世代の支援も含めて試合をする「マスターズ花園2026」(主催=マスターズ花園実行委員会)が10月11日、大阪府の東大阪市花園ラグビー場であった。2022年に始まった大会は5回目を迎えた。
参加は10チーム。大阪府から北野、天王寺、四條畷。兵庫県から報徳学園、神戸、県伊丹。滋賀県から膳所(ぜぜ)、和歌山県から和歌山工、福岡県から筑紫、福島県から磐城が高校ラグビーの聖地にやって来た。参加者は選手とスタッフを合わせ618人だった。
5つの試合はメインの第一グラウンドが使われ、20分3本の計1時間で競われた。各試合は3世代に分かれ、赤パンツが中心の60歳代が先陣を切り、紺パンツの50歳代、白パンツの40歳代と降りて行った。
ルールは昨年同様、安全面を考慮して、タックルなしのタッチのみ。今年は7回連続してタッチされると攻撃権が相手に移る。スクラムはノーコンテスト、ラインアウトは争奪ありだった。なお、この大会は順位決定や表彰式はない。
開会式ではマスターズ花園の井口岳洋実行委員長が「日本のオヤジが一番輝く一日」とあいさつする。井口実行委員長は北野のOBでもあり、高校ラグビー中継でおなじみのMBS(先月、社名変更)のスポーツ局の局長でもある。MBSは今回も場内中継などこの大会の中心を担った。
司会進行はMBSのOB、赤木誠アナウンサーがつとめた。開会宣言は1937年(昭和12)生まれで、数え年で90になる多々見(たたみ)道雄さんが行った。
「マスターズ花園の開会を宣言します」
90歳以上を示す金パンツをはいていた。
多々見さんは四條畷のOBで神戸大を卒業後、大阪の中学教員として人生を過ごした。現役時代のポジションは「BK全般」。今では大阪の強豪のひとつに数えられる東生野中、通称「とんなま」にも、1966年の赴任と同時に創部している。
多々見さんは車いすでの参加になった。
「ケガがなければやりたかった」
残念そうに話した。車いすを押した娘の平谷郁子さんが補足する。
「右ひざに膿がたまり、切開手術をしました。それまでは杖を使わずに歩けていました」
試合参加は来年以降に持ち越しになった。
5試合の中で特に目を引いたのは報徳学園だった。磐城を53-17で破る。今大会の最多得点、最多得失点差36とした。自身もOBとして40歳代の部で出場したラグビー部の遠藤祥部長は強さの秘密を語る。
「練習はずっとしていました」
春から週2回ほどOBは集まっていた。
この大会からタッチした人間は次のタッチが起こるまで、参加できない。
「最初は離れているので、外に大きく振り、タッチされてからは縦に入ってゆきます」
ルールを研究していた。西條裕朗監督も60歳代の部に入り、勝利に貢献した。
西條監督は振り返る。
「楽しくできました」
今月末には106回全国大会の県予選が始まる。昨年は決勝で関西学院に7-29で敗れた。その雪辱に向けて幸先はいい。
「これとそれは別やから」
西條監督は表情を引き締めていた。
この日は主管の関西ラグビー協会の萩本光威(みつたけ)会長、大阪府ラグビー協会の天野寛之会長や東大阪市の野田義和市長も姿を見せ、注目度の高さを物語った。大会は重傷者を出すことなく、無事に終わった。
◆試合結果◆
天王寺24-17四條畷
北野19-10筑紫
報徳学園53-17磐城
県伊丹24-0膳所
神戸17-10和歌山工




