【ラグリパ×リーグワン共同企画】大学時代に完敗した王者と再戦。ルーキーが感じた強烈な刺激
実戦デビュー戦の相手は昨季日本一に輝いたコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)。中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)の的場天飛は学生時代の苦い経験を思い返す。
関西学院大学4年時の春、地元のトップクラブである神戸Sとの練習試合に出場。「キックオフからノーホイッスルで(トライを)取られてばっかりで、ボコボコにやられました。一つひとつのパスの速さとかフォワードの選手のスキルとかがすごかったです」とリーグワンのレベルを体感していた。
それから約1年半後、今年4月に中国RRに加入した大卒ルーキーは、実戦デビューとなるリーグワンライジングの初戦で再び神戸Sとの試合を迎えた。
「しっかり体を鍛えてきた成果があるので、学生のときに比べて怖さは少なかったです」と、積み重ねてきたトレーニングを自信に変え、「学生のときはリーグワン相手で負けてもしょうがないと思っていたけど、いまは同じリーグワンなので違う」と社会人の誇りを胸にフィールドへと向かった。
「ディビジョン1のトップクラスのチームに自分がどれくらい通用するかを確かめたかったので、『チャレンジしよう』と思って試合に挑みました」
D3の中国RRに対して、昨季のディビジョン1王者は圧倒的だった。キックに頼らず着実にフェーズを重ね、雨の中でも力強く前進。フルバックで出場した的場はフィールドで強烈な刺激を受けていた。
「特にウイングのアタアタ(・モエアキオラ)選手は一人来られても二人来られても引きずって進んでいたので、抜けてきたらヤバいなと思いながらディフェンスしていました」
試合は0-66の完敗。持ち前の粘り強いディフェンスで王者に対抗した中国RRは、後半には簡単に突破されるシーンも増えたが、最後まで泥臭く戦い抜いた。
「簡単に(トライを)取られるところもありましたが、フォワード陣のタックルが刺さって、粘って粘って相手のミスを誘えたところもあったので、ディフェンスのところは学生のときの試合とは違いました」と的場は大学時代とは違う手ごたえを感じるとともに、自身の成長にも確かな感触を得た。
「1対1のディフェンスで止められたし、ウイングをタッチライン際で止められたし、キックしたあとにフルバックが仕掛けてきたところも止められて、そこは僕の得意なところでもあるので自信をもっていきたいです」
ただ、試合を通して守る時間が多く、新人フルバックは持ち味のランを発揮しきれなかった。終盤には右サイドの高い位置で3対1の局面という最大のチャンスに絡んだが、好位置をとっていた的場に惜しくもパスはつながらず。「あれが通っていたらトライを取れていたかもしれなかった」と悔しさをにじませ、「次はもっと積極的にボールをもらいにいきたい」とますます意欲を高めた。
リーグワンライジングだからこそ実現したトップレベルとの対決。果敢に立ち向かったルーキーにとって大きな一歩となった。
「仕事との両立もあって15対15をやる機会が少なく、練習だと分からない部分も多いので、試合ができるだけでもありがたいです。その中でもリーグトップの神戸Sさんとできたのは本当にいい機会でしたし、反省点もたくさん出たので、それを生かして次の試合に挑んでいきたいです」
リーグワンでの奮闘が始まった的場。王者に挑んだ貴重な経験を糧に飛躍を期す。
(湊昂大)
▼周辺の証言
WTB 中野将宏
「やっとフルバックらしい15番が入ってきたなと感じています。在籍期間は被っていないですが高校(石見智翠館高等学校)の後輩で、体が強く、アタックでは勢いのあるランプレーが魅力ですし、持ち味のボールキャリーも強いです。ディフェンスも非常にいいので、後ろにいてくれるのが非常に心強いです。神戸Sとのデビュー戦でも緊張している様子はなく、落ち着いてプレーできていて、ピンチの場面でもキックで外に出してちゃんと脱出できていたので、そこは自分も見習いたいです」




