国内 2026.09.23

たくましいチャレンジャー。日大ルーキーの林蒼大、初先発で「自分の全力が出せた」。

[ 向 風見也 ]
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たくましいチャレンジャー。日大ルーキーの林蒼大、初先発で「自分の全力が出せた」。
林蒼大[日大/CTB](筆者撮影)

 格上にぶつかるのが好きだ。

「そっちのほうが、自分の全力を出せる」

 林蒼大。日大ラグビー部の1年生だ。

 9月22日、加盟する関東大学リーグ戦の2戦目で、自身初先発を飾った。

 対するは昨季王者の東海大。前年度最下位のクラブにあって頭角を現したルーキーにとっては、望んで戦う相手と言えよう。

 身長182センチ、体重97キロと重量級も引き締まったフォルム。腰回りからしたがたくましい。眼光の鋭さもついてくる背番号13は、神奈川県内の先方のグラウンドで随所に牙をむいた。

 0-21で迎えた前半15分頃、7-35とされていた前半30分頃には、味方のキックオフボールを追いかけ空中で競り合う。前者は敵陣22メートル線付近左で確保しかけ、後者は同10メートル線付近中央で好捕した。「行くしかない」の心境だった。

 鋭いタックルを披露したのは前半24分のことだ。フィールドの中盤で鋭く飛び出し、パスの捕球役を「く」の字にさせた。攻めても何度か人垣を突っ切り、後半30分に退くまで愛好家を楽しませた。

 38-76での開幕2連敗に、満足はしていない。ただ、この世界で生き抜く手応えも掴んだ。

 改めて、「自分の全力」と口にする。

「正直、前の試合のスタメンの人の代わりになれるんかなと、不安とか、緊張でいっぱいやったんですけど、出てみたら自分の全力が出せたと思います」

 大阪府出身。布施ラグビースクールで競技を始めた。「ボール持ってひたすら走る」のが楽しかった。

 KINDAIラグビースクールへ進み、高校受験時に目に入ったのが布施工科だった。JR西日本に勤める父の将之さんがプレーしていたこのクラブは、激戦区の大阪府にあって人数十分ながら全国大会からしばらく遠ざかっていた。つまり挑戦者の立ち位置だった。

 己にぴったり。林は直感し、その門を叩いた。

「チャレンジャーとして、ひたむきに、がむしゃらにできる」

 3年目は東大阪みらい工科とともに最後の全国大会予選に臨み、準決勝まで進んだ。それと同時期に決めたのが、卒業後の進路である。

 自身を誘ってくれた日大には、現4年生に同じ高校の先輩、古寺将希がいた。稲田仁監督が何度も学校に訪ねてきてくれたのにも背中を押された。

 いざ門を叩いた先は、部員数約180人という大規模集団である。存在感を示すのが難しそうなその環境にあって、関東大学春季大会で早々にベンチ入りできた。

「リザーブに入れてもらったからには、秋のメンバーにも絡みたいなと」

 そもそも中学時代から高校1年まで、衝突の多いFWでプレーしていた。力勝負が得意だ。東京都稲城市のクラブ施設に巨大なジムが完備されていたのには、「一番強いところをさらに伸ばしていける」と微笑む。

 今季は4年生が学生主体を謳う。社会人コーチのほとんどが裏方に回る代わりに、チーム戦術や練習メニューの策定を学生のリーダー陣が担う。ひとりの下級生レギュラー候補として、林は頷く。

「コーチがいないぶん、4年生が全力でやっている。心配はなくなりました」

 親元を離れての新生活にも慣れてきた。都内のキャンパスへ通う定期券の区間に「渋谷」があるのは楽しみのもとか。都心部の街並みに「最初はテレビで見ていたものが目に入ってきたような」と実感する。

 将来について「いまは特に考えていない」とする18歳の今後を、この日観戦したリーグワン関係者の多くが注視してゆくだろう。

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