日本代表 2026.09.20

アクシデントを乗り越え決勝で存在感。佐藤健次、PNCでの手応えを語る

[ 編集部 ]
アクシデントを乗り越え決勝で存在感。佐藤健次、PNCでの手応えを語る
7年ぶりとなるPNC優勝の喜びをフィールドで味わった(撮影:福島宏治)

 プレータイムは10分あまりだったが、大事な試合の大事な場面で大切な役割を果たした。9月19日、秩父宮ラグビー場でおこなわれたフィジーとのパシフィックネーションズカップ(PNC)決勝。途中出場のHO佐藤健次が持ち前の推進力を生かしてチームに勢いをもたらした。

 後半30分過ぎ。桐蔭学園の先輩である原田衛との入替でフィールドに飛び出すと、いきなり回ってきたラインアウトスローをしっかりと成功させ、モールを押し込む。ゴール前に迫ったところでペナルティのアドバンテージを取って有利な状況を作り出し、CTBサミソニ・トゥアの決勝トライを呼び込んだ。

 その後も2度のラインアウトと1度のスクラムをきっちり確保し、ゲームを落ち着かせる。持ち味のボールキャリーでもアグレッシブに前に出てゲインを勝ち取った。

「スクラムは何本組んでも自分たちが乗っかっていける感覚がありましたし、ラインアウトのスローも一貫性を持って投げることができた。途中から出て、FWに良い影響を与えられたかなと思っています」

 7月のネーションズチャンピオンシップと8月のオーストラリアとの2連戦はスコッドに名を連ねながら出場機会を得られなかった。挽回を期して臨んだ9月5日のカナダ戦は途中出場から30分強ピッチに立ち、6回のボールキャリーで4度のディフェンス突破をマークするなど奮闘。トライを導くビッグゲインもあった。

 しかし翌週のPNC準決勝のアメリカ戦はリザーブ入りしながら試合当日に40度の発熱があり、無念の欠場。この週もその影響から、ほとんど練習には参加できなかったという。それでもなんとか回復し、ほぼぶっつけで臨んだ本番で実力を発揮してみせた。

「カナダ戦でいい感触があったぶん、アメリカ戦に出られなかったのが悔しくて。今週も出られるかどうかという状況でしたが、自分としては出たい気持ちが強かったし、出たら良いプレーをできる自信もありました。ラインブレイクしかけたシーンもありましたし、アピールはできたかなと。もっとFWを引っ張っていける選手になりたいと思っています」

 今回のPNCはLOワーナー・ディアンズやFLリーチ マイケルら複数の主軸を欠く布陣だったが、キャプテンを務めたSH齋藤直人を軸に試合を重ねるにつれて結束を強め、過去2年決勝で苦杯を喫してきたフィジーに雪辱を果たした。そこに至るまでのチームの歩みを、こう表現する。

「直人さんがすごく士気を高めてくれましたし、直人さん一人に頼るんじゃなくいろんなリーダーもいて、チームとして正しい方向に進んでこられたと思います。周囲からはいろいろな見方をされますが、自分たちはしっかりと成長できていると感じられている。このまま自分たちが求めているレベルまでスタンダードを上げていきたいと思っています」

 7月から続くタフな戦いを通じて選手たちは確実にたくましくなり、戦力の層も厚みを増した。その中で国際大会のタイトルを獲得できたことは、チームをさらに前へと押し進める追い風になるだろう。

「今は誰が出ても大丈夫ですし、呼ばれたメンバーでしっかり勝ち切ることができたのは大きなプラスになると思います。ただ、僕自身はあまり出場できていないので。まだまだ試合は続きますし、そこでもっとゲームタイムをもらえるように、練習の時から一貫性を持ってやっていきたい」

 オールブラックスのアサフォ・アウムアを想起させる圧倒的な馬力のボールキャリーはやはり魅力一杯だ。その強みを存分に生かし、熾烈なポジション争いを勝ち抜きたい。

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