日本代表で今年初先発。サム・グリーンは「コネクト」で勝負。
サム・グリーンは争いの只中にいる。ラグビー日本代表で、ここまで8キャップを得てきた。
「競争力の高い、激しい練習をしてきた。ジャージーを着られる機会をもらえることはうれしい」
9月11日。パシフィック・ネーションズカップ準決勝を翌日に控える。会場の東大阪市花園ラグビー場で意気込みを語る。
アメリカ代表とのこの一戦へは、最後尾のFBで先発する。今年ここまで6戦連続で松永拓朗が守ってきた位置だ。
5日のカナダ代表戦(新潟・デンカビッグスワンスタジアム/○57-12)から、WTBを含むバックスリー3名のうち2名が変わっていた。
約9年ぶりに復職して3シーズン目のエディー・ジョーンズヘッドコーチは、入れ替えについて説く。
「(WTBで2戦ぶり出場の)植田和磨は、ここ最近の練習で素晴らしい成果を出している。(7月の)ネーションズチャンピオンシップ終了後にあった課題にこだわって取り組み、成長が見られたためチャンスを与えました。サム・グリーンも、松永とのポジション争いで健闘していました」
正FBの候補には、松永のほか今回招集外で早大4年の矢崎由高らがいる。激しいコンペティションのさなか、司令塔のSOを本職とするグリーンは「コミュニケーション」の能力をアピールする。
「質の高い選手が揃うなか、9、10番(SH、SOの司令塔団)とコネクトし、コミュニケーションを取り、クリアなピクチャーを見せていきたい。10番と15番(FB)は、役割と求められるスキルに共通点が多いです。伊藤(次戦でSOのスターター)と繋がり、スペースにボールを運ぶことを心がけます。また、オフ・ザ・ボールにおけるワークレートも上げたい」
2016年にオーストラリアから来日したグリーンは、19年のワールドカップ日本大会での日本代表入りに近づきながらも資格が認められなかった。翌20年にはウイルス禍のため一時帰国したことで、他国での代表挑戦に必要だった連続居住の積み上げがリセットされた。
24年より5年間の協会登録で他国でのナショナルチームを狙えるようになり、25年7月に赤と白のジャージーに袖を通せた。しかしその後も定位置奪取は簡単ではなく、ベンチ入りしながらノーサイドまで出番がこなかったこともある。
ファーストジャージーを掴む難しさと、その価値を知る。
「ラグビーの生活のほとんどを日本で過ごしている。日本代表のジャージーに憧れる思いを持っています。負けた試合からも、出られなかった試合からもレッスンが得られる。よく見て、学ぶことを意識してきました」
今回の一戦へ、ジョーンズからはこう背中を押されている。
「決断力を持って、迷わずプレーしろ」
昨季限りで前身のヤマハ発動機ジュビロ静岡ブルーレヴズを退団。新シーズンからJR東日本グリーンウォリアーズ東葛に在籍する。NECグリーンロケッツ東葛から生まれ変わって間もないグリーンウォリアーズにとっては、初めてにして現在唯一の現役日本代表選手である。
新天地の施設には、ジャパンの活動がなかったタイミングで顔を出したという。「彼らを代表して戦えることもうれしく思います」と補足した。




