日本代表・原田衛が向き合うのは、「自分たちの接点での強さ」。
普段は夜20時から「寝る準備」に入る原田衛だが、9月5日のカナダ代表戦前は、その時間に練習を終えていた。
チーム方針のためだ。
12日からのパシフィック・ネーションズカップ(PNC)での優勝、1年後に迫った2027年のワールドカップオーストラリア大会を見据え、エディー・ジョーンズヘッドコーチ率いるラグビー日本代表はハードな走り込みを課していた。
目先の試合への調整のために強度を落とすより、向こうの大一番を見据えて負荷をかける論法だ。ましてキャンプ地だった宮崎は夏の熱波に包まれていたとあり、日中のトレーニングは難しい。1日の終わりと始まりが遅くなっても不思議ではない。
果たしてジャパンは、やや足の重い状態で会場の新潟・デンカビッグスワンスタジアムに立った。先発HOとして48分間プレーして2トライをマークの原田は、苦笑して振り返った。
「朝7時から練習なので、夜飯を食べていたら寝られなくなるな…と(食事量を減らす)生活をしていました。きつかったですけど、来週からは、さすがにない(通常のスケジュールになる)と思うので!」
57-12で勝った。攻め込みながらのパスミス、接点での反則が増えた試合展開について聞かれ、「思った通りにいかない歯がゆさはありましたけど」。目立つ反省点は、走者、援護役の動きにあったという。
「シンプルに(走者への)2人目の寄りは全員のマインドセットで変えられる。後半へはエディーさん(・ジョーンズヘッドコーチ)から『まずはキャリー(1人目のボール保持者)を強くしよう』と話がありましたけど、なかなかうまく修正できなくて」
もっとも、「スクラム、ラインアウトでは(向こうの)ペナルティはもらえていた。だから、僕自身は焦ることなく(できた)」。世界ランクで12つ下の24位というカナダ代表を前に、パニックにならないだけの相関関係を保てていた。
特に「スクラム、ラインアウト」という攻防の起点で圧倒していた。その後者を起点としたモールで、複数のトライを生み出すこともできた。
「モールでトライが獲れて、トライを獲られなかったのはよかった。こういう(ランキングで下回る)相手にもできないと、強豪相手にもできない。相手にフォーカスせず、自分たちの接点での強さを上げていきたいです」
12日には東大阪市花園ラグビー場で、PNC準決勝に挑む。同14位のアメリカ代表を迎える。新潟入りを前に述べていた。
「FWとしては、セットピース(スクラム、ラインアウト)で相手を圧倒する。それをカナダ代表との初戦でやっていこうと話している。あとは(PNC決勝までの)3試合で、自分たちのラグビーを作り上げていければな…と」
目下の最大のライバルは、昨日までの「自分たち」だ。




