日本代表 2026.09.08

日本代表初キャップのイノケ・ブルアが鮮烈デビュー。武器の「ワークレート」でポジション奪取へ

[ 木村大輔 ]
日本代表初キャップのイノケ・ブルアが鮮烈デビュー。武器の「ワークレート」でポジション奪取へ
あらゆる局面でパワーと走力を発揮したWTBイノケ・ブルア(撮影:福島宏治)

 9月5日の「リポビタンDチャレンジカップ2026」で、日本代表は57-12でカナダ代表から勝利を挙げた。世界ランキング12位の日本が同24位のカナダをスコアで圧倒した格好だが、ジャパンは精彩を欠くプレーも多く、課題も見つかるテストマッチとなった。そうした中、右WTBで先発出場し初キャップを獲得したイノケ・ブルア(27)は鮮烈なパフォーマンスを発揮し、自らの実力をアピールした。

 フィジー出身の“ノックス”は2018年、流経大入学のタイミングで来日。関東大学リーグ戦や大学選手権で強さと速さを兼ね備えたランナーとして評価を高め、在学中の2020年にはサンウルブズ(スーパーラグビー)のスコッドに入った。

 流経大卒業後の2022年に横浜キヤノンイーグルスに加入し、2024年度にコベルコ神戸スティーラーズへの移籍を決断。昨季は19試合で15トライをマークする活躍でリーグワン制覇に大きく貢献した。

 今年2月に発表された日本代表候補メンバーに名を連ねると、6月開始の宮崎合宿で初めて代表活動に参加した。6月27日には準代表チーム「JAPAN XV」としてマオリ・オールブラックス戦に左WTBで先発出場し、初めてシニアレベルのインターナショナルマッチの舞台に立つ。その後も代表合宿でトレーニングを重ねてスキルアップに励み、ついに9月5日の新潟で待望の初キャップを獲得した。

 カナダ戦の前半24分、中盤右サイドのラインアウトからの展開で左サイドのスペースを突いたブルアはタックルを受けながらFB松永拓朗にオフロードパスを通す。続くフェーズ、素早く立ち上がったブルアは再びボールを受けてトライライン目前まで迫った。

 ダウンボールでボールが乱れたことでボールを失ったものの、日本はテリトリーを大きく前に進めた。27分には敵陣右サイドの22mライン付近でラインアウトのチャンスを獲得。クリーンキャッチ後、外側へ切り裂くように走り込んだブルアがラインブレイクすると、CTB廣瀬雄也にラストパスを供給しトライを演出した。

 80分間フル出場した中で優れたスタッツも残した。15回のボールキャリーで前進したゲインメーター128mは両チーム最多で、唯一の3ケタを記録。クリーンブレイクは3回で、複数記録したのはブルアのみ。持ち前のスピードに加えて攻撃時の適切なポジショニングも光った。そして数値だけでは表せない豊富な運動量も発揮し、攻守のあらゆる局面に駆けつけて体を張った。

 ブルアは長年の「夢」であるファーストキャップを手にした心持ちを「めっちゃうれしい。良い気持ちでした」と日本語で表現した。

 代表合宿のハードトレーニングではS&Cコーチのサポートを得ながらフィットネスの向上に取り組んだ。さらに炭水化物の摂取も制限して3キロの減量にも成功し、体のキレも増したという。

 それぞれ異なる強みを持つジャパンのウィング陣のポジション争いで名乗りを上げるため、「オフザボールのワークレートと強いボールキャリー」という武器にさらに磨きをかけたい。

 12日の準決勝・アメリカ戦から始まるパシフィックネーションズカップは、19日の決勝に進出すると母国フィジーとマッチアップする可能性がある。目指す戦いの舞台へ、アピールを続ける。

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