日本代表・齋藤直人、フランスで「目の前の状況に反応するようになった」
慌ただしいスケジュールにメリハリをつけている。
ラグビー日本代表は、6月からの活動を7月第3週までに終えると、約1週間のオフを挟んで25日から網走合宿を始めた。
とりわけタフな日々を過ごしたのが齋藤直人。身長165センチ、体重73キロの身体が頑丈で、スタミナがありパスの鋭い28歳である。
6月下旬まではフランスの名門のトゥールーズの一員として、約10か月に及ぶ同国トップ14のシーズンに自身2季目の参加を果たした。
その長丁場の戦いをチームの2連覇で終えると、すでに活動が本格化していた日本代表へ途中合流した。7月4日の新設ネーションズチャンピオンシップ初戦へは、1週間足らずの調整を経て先発した。
当日は東京・秩父宮ラグビー場でイタリア代表を27-10と下し、新設の大会を1勝2敗で終えるまで9番をつけて奮闘した。
ようやく休息を得て、なお緊張感を保つ。
来季から再加入する古巣の東京サントリーサンゴリアスの施設に出向きながら、今度の北海道入りをにらんだ。
「ゆっくり休むところは休んで。ただ、(休息週の)火、水、木は久しぶりにサントリーのクラブハウスに行って、走ったり、キックを蹴ったり、少しトリートメントをしてもらったり。ウェイト(トレーニング)もしました」
過密日程の只中にある。約2年間におよぶ海外挑戦を、じっくり振り返るには至っていない。ただ、アスリートとして伸びたのはわかる。
異国で過ごしたことでの自身の変化について聞かれ、「帰ってきて1か月も経っていないので実感する部分はないですけど…」としながら、こう続けた。
「ラグビーに関して言えば、目の前の状況に反応するようになったというか…。形(チーム戦術を全うする)だけではなく、スペースがあればそこを突く。より、自分の直感を信じてプレーする機会は増えたかなと思います。自分が2年間やってきたクラブでのラグビーがそういうものだったので」
ずっと戦っていたフランスの地では、自身の務めるSHにキックが求められる。環境に適応するなかで身につけた足技は、ナショナルチームでも存分に活かした。そのうえで述べる。
「キックを使うなかでも忘れてはならないのが、自分たちのアイデンティティはアタックだということ。どちらか一辺倒ではだめ。ハーフ団(SOを含めた司令塔コンビ)が中心になって適切なタイミング、エリアを考えながら(プレーを選択する)」
とにかく、望んだものは手にできた。そもそも海を渡ったのは、ワールドカップで結果を出すためだ。
4年に1度の大舞台へは2023年のフランス大会で初出場も、予選プール敗退。2027年のオーストラリア大会で勝利を重ねるために、普段から強者に揉まれて底力をつけたかったのだ。これから日本に戻り、欧州時代より代表召集に応じやすい状況を整えたのも予定通りだ。
「前提として2年間(海の向こうで)やって、ワールドカップの前の年には日本でプレーすると決めていたので。海外は、自分が行きたかったところもありますが、(本当の目的は)成長した状態でワールドカップに臨んで結果を残したい、ということです。(トップ14は)間違いなくレベルは高かったですし、強度も高いし、移動も多い。ここで揉まれたのはプラスになっていると思いたいです。いま直近で『向こうに行ってよかった』と言えることはなかなか(実感として)ないんですけど、少し時間が経って、そういう風に思えたらいいなと」
‘28年以降に再び日本を離れるか、と聞かれれば「はっきりと言える答えはないです。僕もまだ(具体的には考えていない)」。まずは、’27年の秋まで走りきる。
本番の予選プールでは、7月18日に15-42で敗れたフランス代表と対戦できる。ここで白星を奪えたら最高だ。ただ…。
「いまは、目の前に試合があるので、そちらに(集中する)」
8月、対オーストラリア代表2連戦を控える。



