新潟から未来へつなぐ中学生ラグビー交流大会『Niigata Ones FESTIVAL 2026(Inagaki Cup)開催』――4県から5チーム、総勢約500名が新潟に集結
かつて新潟工業高校が花園でベスト8に4度、ベスト4にも2度進出するなど、北陸地方を牽引する存在として確かな足跡を残してきた新潟県のラグビー。その中学生年代では県内各地域のラグビースクールによる合同チームが20年以上前から活動を続け、ラグビーをプレーする場をつないできた。
一方でラグビー部のある中学校はほとんどなく、年間を通じて選手たちが試合を経験する機会は限られる。対戦相手を求めて県外に遠征するにも経済的、時間的な負担がともなうため、そう頻繁にはおこなえないのが実情だ。
全国的に見ても高校生世代のラグビーの競技人口は2003年の約3万人から昨年は1万7千まで減少。少子化もあいまってチームを組むこと自体が難しい地域も増えている。
そうした中、ラグビー界の未来を背負う子どもたちのために、地域の手で実戦の機会と交流の場を作りたい――という思いから、ある大会が企画された。それが『Niigata Ones FESTIVAL 2026(Inagaki Cup)』だ。
大会名のInagakiとはもちろん新潟県出身の稲垣啓太のこと。新潟工業から関東学院大、パナソニック ワイルドナイツへと進み、2014年に日本代表としてテストマッチデビューを果たした左PRだ。W杯には2015年から2019年、2023年と3大会連続で出場し、2015年大会での南アフリカ撃破や2019年日本大会における史上初のベスト8進出など輝かしい成績を残してきた。正式な国代表同士の試合に出場した数を表すキャップ数は53を数える。
そんな稲垣の歩みは、ラグビーにおいて新潟からでも世界最高峰のステージを目指せることの証明とも言える。そしてその挑戦の精神を次の世代へと引き継いでいくことが、Inagaki Cup設立の趣旨だ。
会場となったのは、稲垣が青春時代を過ごし仲間たちと汗を流した新潟工業のグラウンド。ちなみに全面を覆う美しい天然芝は、2019年に稲垣が母校へ寄贈したものだ。「ゆくゆくはいろんなチームが集まって試合をできる場所になれば」という当時の願いが、7年を経て実現することとなった。
今回参加したのは地元新潟のNiigata Ones RFC、新発田市中学校連合チームに、県外からの秋田ノーザンブレッツジュニア(秋田)、茨城中学合同(茨城)、松本国際中(⻑野)を加えた5チーム。選手数は約250名で、チーム関係者や保護者などを含めれば約500名近くが一堂に会し、ラグビーを満喫する1日を過ごした。
大会はU15、U13の2カテゴリーでおこなわれ、選手たちは初めて対戦する遠方のチームとの真剣勝負を通じてラグビーの魅力を存分に体感した。勝利の笑顔があり、敗戦の涙があり、なにより選手たちがチーム一丸となって本気でラグビーに取り組む姿が数多くみられたことが、大会の最大の成果と言えるだろう。

なお表彰式では稲垣自身がプレゼンターとなり、Inagaki Cupを授与。その後、選手たちにこう語りかけた。
「この大会を通して、ここだけは譲れないことが僕にはあった。それは必ず勝敗を決めること。負けてしかわからない感情がある。勝ってからでないとわからない感情もある。どんな結果であったとしても、自分がチャレンジしたことを忘れないでください。自分がやってきたことに、誇りを持ってください」

多くの笑顔にあふれ、たくさんの絆が生まれたこのInagaki Cup。新潟の夏の恒例行事として、来年以降も継続して開催していく予定だ。



